「九州ツアー初日(九重連峰・三俣山)

2010年6月11日(金曜) 

レポートby 高橋(雄)(&一部 熊本)

 

今回はピンクのミヤマキリシマの大群生を求めて、九州・九重連峰の23日のツアーである。

九州在住の猿渡さんにプランとガイドをお願いし、ミヤマキリシマの見ごろの611~13日の実施

となった。

 

深田久弥氏の「日本百名山」の冒頭に 

「九州には霧島、阿蘇、雲仙などの噂の高い山があるせいか、その最高峰は見逃されがちのようである。

九州本島で一番高いのは九重山。九重山は山群の総称であってその主峰は久住山。同じ発音を持つ九重

と久住がそんな分け前に落ち着くまでに、長い間山名の争奪戦があったそうである。」とある。

 

また、「九重山 法華院物語」(山と人)には

「九重の山岳は天台宗の山岳宗教によって聖地となり、高原や湿原は里人の野焼きによって維持されて

きた。修験者、信仰者、村人は山の四季を愛でながら山に順化していた。そこに長い歴史と文化があり、

真の自然と人との共生関係が成り立っていた。その結果として、長い長い星霜を経て今日の九重が存在

している。」と書かれていた。

 

さて、今回の参加者は、東京から熊本さん、小野寺さん、高橋(雄)の3名、九州から20066月の九重

山行時と同じ、猿渡さん、三輪さんの2名、計5名となった。

 

東京からの3名は、羽田発8:05 大分行

ANA191便で出発。

早めに羽田に着いて出発前の腹ごしらえ。

飛行機は定刻に動きだす。

この時間帯は出発ラッシュで離陸順番待ちの

機体がゾロゾロ行進。

羽田を離陸して8:32 富士山の真上を通過。

晴れており、南アルプス、中央アルプスの

山々、名古屋、大阪、瀬戸内海の明石大橋、

瀬戸大橋、しまなみ街道などを眼下にし、

予定より若干早めの9:25に大分空港着陸。

 

大分空港からは9:55発の湯布院への直行バス

に乗車。(往復\2,500

バスも時間通りに運行し、10:45湯布院着。

駅前で、迎えに来ていた猿渡さんと再会。

猿渡さんは大牟田から3時間かけてご自分の

車で来られた。事前に東京から宅急便で送っ

てある3人の荷物も運んできていただいた。

湯布院の駅の真正面には由布岳が見える。

予定ではあさっての13日に登ることにして

いる。しかし本日は快晴ながら、天気予報

では梅雨入り真近で、13日が雨なら中止する

かもしれない。いまのうちにということで

カメラに収める。

猿渡さんの車に乗車し、10:55湯布院発。

やまなみハイウェイで本日の登山口の長者原

(ちょうじゃばる)に向かう。

 

11:35長者原着。

ここではもう一人の参加者、三輪さんが福岡

から車で来られており、合流し、5人が揃った。

目の前はこれからめざす九重連峰だ。

 

まずは昼食。レストランへ向かう。

昼食はだんご汁定食、そば、スパゲティなど

好きなものを注文。だんご汁は固形燃料で炊

かれており、熱くて食べるのに時間がかかり

ちょっと後悔。しかしおいしい。

昼食後、登山準備

いよいよスタートの写真撮影。

背景の山の左側が本日登る三俣山だ。

長者原登山口にある案内図。

写真に本日11日と明日12日のコースを加筆。

暫く舗装された林道(硫黄山道路)を歩く

最初に出会った道端のミヤマキリシマ。

花は一般的なツツジより小さい。

舗装道路から直登近道の山道へ入る。

左手に三俣山を見ながら

ミヤマキリシマの株が多くなってくる。

再び硫黄山道路に出て一息

硫黄山道路も舗装が終わり、山道となる。

正面の硫黄山からは白い噴煙が上がっている。

猿渡さんによると、この噴煙が時々黒くなって

勢いを増すことがあるそうで、その時は一目散

に逃げるのだそうだ。

硫黄山道路の途中から、左手に入り、がれ場

をすがもり越えに向かって登る。

三俣山の斜面にはミヤマキリシマのピンクが

所々に見える。

14:00 すがもり越避難小屋

 

8分休憩して三俣山への急斜面にとりつく。

三俣山 西峰直下の急登。

14:37 西峰着。

 

360度のパノラマが楽しめる。

晴れて日差しは強いが空気は乾いており、

時折さわやかな風が心地よい。

 

 

5分ほど休んで本峰に向かう。

背丈の低い笹原を一旦高低差50m程度下り、

本峰へ登り返す。

ミヤマキリシマはなくなったが、かわりに

イワカガミや

マイズルソウなどが目を楽しませてくれる。

15:08 本峰(1,745m)着

 

ここでも360度のパノラマを満喫。

 

 

東北東の山の南斜面がミヤマキリシマでピンク

色に染まっている!

平治岳(ひいじだけ、1,542.8m)だ。

明日登る予定で、期待に胸が躍る。

南南西には星生山の左側に根子岳(1,433m)、

右側奥に阿蘇山(高岳1,592m)が霞んで頭を

ちょっぴり出している。

 

景色を十分に楽しんで15:23下山開始。

南峰は行かずに、すがもり越まで登ってきたのと

同じ道を下る。

下山途中のミヤマキリシマと硫黄山。

16:00 すがもり越避難小屋に戻る。

すがもり越で5分休んで本日の宿、法華院温泉

に向かう。

がれ場を10分ほど下ると北千里ケ浜の盆地だ。

大河の干上がった川床を思わせる。

周りは大きな岩がごろごろしている急斜面。

ちょっとネパールとか外国っぽくないですか?

北千里ケ浜の端から急ながれ場を下る。

坊がツルが真下に見えてきた

左手の九重連峰の最高峰、中岳(1,791m)方向の

急斜面にはミヤマキリシマがびっしりと咲いて

いるところがあった。

本日最後の難所、法華院温泉への下り。

慎重に進む。

そこを下りきると法華院温泉だ。

17時丁度に法華院温泉山荘着。

 

当初、混んでいて大部屋しかとれなかったが、

大変ラッキーなことに、個室キャンセルが出た

とのこと。しかも2部屋!

梅雨入りの可能性が高く、敬遠した客がいた

ようだ。しかしこれまでみたとおりのさわやかな

晴天。我々は晴れ男&晴れ女集団?

夕食は18:45

時間はたっぷりあり、さっそく温泉に浸かり、

さっぱりして外のテーブルで乾杯!!

すべての山登りはこの瞬間のためにあると思う。

予想を超えた晴天とミヤマキリシマの話題で

笑いが弾む。

18:30でもまだ明るく、宿の周りのミヤマキリシマが

撮影できる。

18:45夕食。食堂はその前の客、○○ワンゲルクラブ

35名などがまだ酒盛りを続けており、割当て

られたテーブルでは狭くてうるさいので、奥の

テレビコーナーに移らせてもらい、また乾杯。

これが夕食。

食堂には深田久弥や槇有恒の色紙もあった。

夕食後部屋に戻り、明日の作戦会議。

予定では坊がツルからミヤマキリシマの群生がある大船山(だいせんざん、1,786m)にまず登って、次に

その向かいの平治岳(ひいじだけ、1,643m)としていた。

しかし、本日の三俣山から見たところ、大船山は中腹がちょっぴりピンクではあったが、まだミヤマキリシマ

が見ごろではないようだった(例年より10日以上遅れ?)。平治岳は南面がピンクに染まっていた。

しかも天気予報は朝から曇りで午後から雨。そこで、先に平治岳に向かい、ミヤマキリシマの絶景を見て、

天候などによっては大船山はパスすることで全員一致。そして早朝5時出発とし、なんとか雨が降り出す前の

お昼ごろには車を停めてある長者原に戻ることをめざすことになった。

また、7時といわれた宿の朝食では遅いので、弁当にしてもらって途中で食べることにした。

 

今日のラッキーがなんとか明日も続くことを祈って21:30就寝・・・・

 

12日へ

 

クマさん会目次に戻る