東北登山リベンジ・ツアー(2)
09.08.08−月山―
(レポートby小野寺)

朝方までしとしとと雨が降り続くも、旅館裏手にある五色沼の霧は昨日より晴れ、明るさの兆しが見える。
今日は、出羽三山の残り一座「月山」だ。山形県には日本百名山が6座あるが、鳥海山(秋田)、朝日岳
(新潟)、蔵王(宮城)、吾妻山(福島)、飯豊山(福島)は全て県境に接し、唯一他県と共有することなく、
山形県の中央にあるのが「月山」とのことだ。[by クマさん豆知識]

5:30 朝風呂
奇数時間は女風呂、偶数時間は男風呂の交代制。寝ぼけ眼で温泉へ。お風呂の広い窓は五色沼に面し、
東山魁夷画伯の日本画を髣髴とさせる碧色の湖景に、お湯がそのまま続いているようで気持ちよい。
6:00からは、早朝から活動を開始していた男性陣が入浴。

6:30 朝食
ムリを言い、朝食時間を早めていただいた。塩鮭、温泉卵に蕗煮などの定番朝食に、ご飯は白米と山菜炊き
込みがいただける。最後に牛乳やコーヒーのドリンクまでつき、本日の登山に備える。

出発前、吉松さんと能勢さんが肩を並べて湖畔にたたずんでいると思ったら、何やら向こう岸で
棹がたわむほどの大物が釣れた様子。宿のご主人に伺うとブラウントラウト(外来の淡水鱒)が釣れるとのこと。

五色沼を背景にご主人を中に入れてパチリ。

7:30 宿を立つ
家族総出の温かなもてなしに大満足の志津温泉
「清水屋旅館」をあとに、登山口へ向かう。
7:45 姥沢駐車場着
準備をして緩やかな舗装道を上る。10分ほどで
志津口に到着。環境保全料¥200/人。
すぐ先にあるリフト下駅の乗り場がモヤって見える。
道端には、昨夜天ぷらで頂いた独活の花が
そこここに咲いている。

花博士の雄さんが、ムシカリ(オオカメノキ)を教えてくれた。今年映画化された『剣岳 点の記(新田次郎)』の中で、
人夫頭・長次郎の妻が測量官・柴崎芳太郎の妻へ贈った花だ。
8:30 リフト下駅発
標高1,510mリフト上駅までは13分(往復料金¥1,000)。
リフトの足元にはそこここにエゾリンドウが青い花
(まだつぼみ)をつけている。
お天気は芳しくなく、姥ヶ岳休息所に寄り、完全防備
の雨支度をする。

休息所付近に、すでにニッコウキスゲ
やヨツバシオガマなど、期待の花たちが見られる。
月山案内板の前で出発記念撮影の後、
8:50 出発!
整備されていて歩きやすい木道をぽくぽく・・・。
上り始めて数分、視界が拓け、斜面にちらほらと
花が見られる。
さらに姥ヶ岳岐路を過ぎると、ニッコウキスゲや
ヨツバシオガマなど種類も量も増えて俄然華やかな
様相となった。
シラネニンジン
カラマツソウ
キンコウカ
イワイチョウ
チングルマ
   
の群生←と咲き終わった後の髭状の実↓
   
アカバナトウウチソウ
9:30 小休止
ツガザクラ
 9:50 牛首着。
昨年はここまできて雨が強くなり、不本意ながら
折り返した。
ここから山頂までがリベンジである。
尾根道を頂上へ向かう。足元は石畳の道となる。

昨日も見かけた修験者のほら貝の音が聞こえる。
早朝から縦走しているのか?
このあたりも上下斜面一面のお花畑。

←ハクサンボウフウの群生
タテヤマウツボグサ 
道々多彩な花が目を楽しませてくれる。
みんな即席写真家となる。 
 
ハクサンイチゲ
 コバイケイソウは、  
   
“当たり年“があるらしいが、今年はそこそこの群生なのか。
あちこちににょっきりと目立って咲いているので、お花音痴
でも覚えやすい。

はしゃいだ田形さんが何かに躓いて以来、内輪で「ズッコケソウ」と命名された。・・・・来年には間違って覚えている者があるに違いない(^^;)。

キンロバイ?
or
ミヤマキンバイ?
クロヅル
 いつしか石畳はごろごろとした岩の急登に。
小雨が降ったり止んだりのモヤった天気を多少
憾みつつ、頂上を目指す。
イワギキョウ?
ミヤマアキノキリンソウ 
ハクサンフウロ 
 ヤマハハコ
トウゲブキ
 ?
10:48 鍛冶神社
ひょっこり拓けたと思ったら鍛冶神社の祠に出た。
軽くお参り。風が右手下から吹き上げてくる。
すぐそこに鍛冶小屋。
しかし、小屋は修験登山の方たちで混雑していた
ので、先に頂上へ向かうことにする。
一段高みに月山神社を祀った頂上が見える。
そこまでの道も花草原。 


登り切ると広い草原状の台地が広がり、高山植物
で彩られている。
行きかう人とも「これはなんという花でしょうねぇ」
などと会話する。


キオン
   
 ハクサンシャジン
   
の群生
ミヤマリンドウ 
ハクサンフウロのブーケ
自然にこんなのができてるなんて・・
ほどなく月山頂上小屋に到着。
月山神社はさらに200mほど先だ。 
11:00 山頂・月山神社(1984m)
山頂を極め、去年の雪辱は果たした!

神の啓示か?鳥居前に着いたら陽が差してきた。
顔を上げて空を見上げる。
お祓い込み¥500/人。引き換えにお札と薄い
紙の身代わりヒト形をいただく。
数段登った小屋に神主さんがいらして全員揃った
ところで、数々の過ち・罪を祓ってくださる。
「・・・・祓い給え清め給えと申す〜」ヒト形で全身を
なでた後、息を3回吹きかけて池に流す。
作法は昨日の湯殿神社同様。 
神社内は撮影禁止なので、神社前鳥居で記念撮影。
陽が差したのも束の間、また雨が・・・ 
緑の屋根の月山頂上小屋に戻って昼食をとることにする。
11:20 昼食休憩
月山頂上小屋は利用料¥200/人だが、とてもきれいで
しっかりした造りだ。
文さんが、「前日、吉松さんに買ってきてもらっていたはず
の昼食用のパンを忘れた!」と言い出したが、リュックの
底にしっかり入っていて、無事全員お昼にありつけた。
 別棟のトイレはバイオトイレ、援助金¥100/人。
洋式で清潔な風情の上、なにより不快な臭いがない。
使用後にスイッチを押すと、水を流す代わりに
溜まっているおがくずが、ぐわーっと撹拌される。
面白くて、しばし見学してしまった(^^;)ゞ 
12:00 下山開始
「雲の峯 幾つ崩れて 月の山 / 芭蕉」の石碑が
あった。
「奥の細道」の芭蕉の旅のうち、最も高い場所が
この月山(1984m)だったとか。
芭蕉当時46歳。羽黒神社〜月山神社〜湯殿山神社の
コースを縦走。
7月22日(陰暦6月6日)にこの句を読んだそうだ。
[by クマさん豆知識]
 
 ベニバナイチゴ
 ナナカマド
ニッコウキスゲetc 
マルバシモツケ
12:45 牛首
ここから姥ヶ岳経由の道をとる。
石畳と木道で歩きやすい。 
イワカガミ

金姥へ向かう途中も花でいっぱいだ。
トモエシオガマ 
 ミヤマコウゾリナ
(深山髪剃菜)
 ウメバチソウ
そろそろ花にも見慣れてきた頃、左手に雪渓が
見えてきた。結構厚く残っている。 
13:07姥が岳と湯殿山への分岐。 
ここから姥が岳山頂まで高低差60mぐらいを
登り返す。
まだまだ元気・・なフリ?
 ヨツバヒヨドリ
13:25 姥ヶ岳山頂(1670m)
ともかく制覇。ハイ、ポーズ(^^)v 
降ったり止んだりの雨の中、リフト駅めざして下る。 
13:50 姥ヶ岳休息所着。ほっと一息。
各々、アイス¥160やカキ氷¥300+ミルク¥50で
ちょっと休憩。
この後、復路リフトに乗り、駐車場へ向かう。 

14:20 駐車場着
濡れたものを片付け着替える。ここはトイレに
更衣室もあり、便利。

14:55 鳥海山麓の今夜の宿に向け出発。

これで本日の「山の話」は終わりなのだが、この日はここからが長かった!!
まず、鶴岡駅のレンタカー事務所から、SONYのカメラのレンズフードを預かっていると留守電が入っており、クマさんが
落としたものと判明。それを受け取りに鶴岡駅へ立ち寄る・・・はずが、相変わらずのカーナビ不調で、月山周辺をうろうろ。 
→ともあれ、鶴岡駅にたどりつき、レンズフードは、無事クマさんの元へ。

そして、翌日の昼食確保のためにコンビニ探し。一軒目の鶴岡のコンビニでは、飲み物は調達したが、女性陣が食べたい
めぼしいパンがなかったので、別のコンビニを探しながら走る。酒田でのどかな田園風景を過ぎたところのサンクス遊佐店で
ようやくおいしそうなパンをゲット。
ところが、このサンクスを後にしかけて、高橋兄弟カーがなんと、こともあろうに田形さんを乗せ忘れた(!)ことが発覚。
やむなく田形さんは後続の吉松カーに乗車。これまでのクマさん会のハプニングの忘れものネタの中で最も大きい、人間の
忘れ物。その後、ドライバーの雄さんにどれだけの責め苦があったかは、ご想像にお任せします(笑)

【またまたまた雄の言い訳】:コンビニでとなりの吉松カーが動き出した。実はこれは女性陣を待っている間に、道に出やすい
ように方向転換するだけだったようだが、私はてっきり全員が乗車して出発!となったものと思った。
吉松カーのナビでは今夜の宿が検索できず、ルートが不明のはずで、私が先行しなければならないので、あせって発進。
非常に前向きな性格なもので、後ろの座席をふりかえりもせず、よく確認しませんでした。田形さん、ホントにゴメンナサイ・・。

18:15 国民宿舎太平山荘
そんなこんなの後、なんとか日暮れ前に本日の宿舎へ到着。山の端に夕日が出ており、明日のお天気が期待される。
ここは、標高1,000mに立地。鳥海山4合目にあたる。

19:15 夕食・・・なのに、女性陣はお風呂に
ゆったりし、呑気に構えうっかり時間を見過ごす。

19:30過ぎに吉松さんが部屋に迎えに来てくださり、
あわてて食堂へ。
「20:00までに終了してください」と言われ、
慌しく掻きこむことになった。

⇒フタの中身
   

食後は、明日の予定確認と「今夜で持参の酒は片付けるぞ」の小宴会を男性部屋でちょっぴり開催。
ハプニング満載の異様な盛り上がりに先が思いやられながら、2日目が終わりました。

翌3日目 鳥海山へ

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