09.08.07〜10 東北登山リベンジ・ツアー(3)
09.08.09− 鳥海山 −
-レポート by 高橋(文)-
出羽富士と呼ばれる鳥海山は、山形県と秋田県の県境に位置し、福島県にある燧ケ岳(2,356m)に次いで
東北第二位の標高(2,236m)を誇っている。夏になると冬に積もった雪が融け、たくさんの高山植物が花開く。
昨年8月にも登る予定だったが、出発直前に雷と強い雨に会い登山を断念した経緯がある。
天気予報は2、3日前迄は晴れのマークもあったが、昨日の時点では終日曇りとなった。
4:00 起床。 出発準備をし、昨夜、宿に頼んでおいた朝食用 おにぎり弁当をお腹に入れる。 5:00 山荘の玄関前に集合。 すでに明るい。宿の前にはオオバギボウシが たくさんの花を咲かせて我々をお見送り。 |
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山荘をバックに写真を撮る。 雲の合間には青空も見えるが、ポツリと顔に当たる ものもあり、これからの天気が心配になる。 |
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山荘から10分程走って鉾立駐車場に車を止め、 登山準備し、これから向かう山をバックに1枚。 去年はこの撮影中に豪雨が始まり、車に飛び込ん で登山から観光に切り替えたが、今回はとりあえず 登れそう。 青空も見えるが、鳥海山は雲の中。 |
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象潟口登山道入口にある「鳥海山登山道案内図」の 看板前で集合写真を撮り、5:40にスタートした。 |
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鉾立登山口から山頂まで片道8km、往復16km 標高差1100mの中〜上級者コースである。 |
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最初は舗装道路を歩く。 | |
道端には早くもいろいろな花があらわれた。 ヤマブキショウマ |
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ムシカリ(オオカメノキ) | |
ホタルブクロ | |
白いホタルブクロ | |
ヨツバヒヨドリ | |
ミヤマホツツジ | |
10分程歩いた所に展望台があり、日本海と 山並みが見渡せる。 出発点の鉾立駐車場も見える。 |
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さらに石畳を進むと左手に白糸の滝が見えてくる。 白糸の滝(遠望) |
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クルマユリ or コオニユリ |
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ノリウツギ | |
石は滑りやすくなっているので足元には要注意である。 | |
日本海を眺めると、飛島とおぼしき島影が見える。 | |
ウゴアザミ | |
ヤマハハコ | |
オミナエシ? | |
少し訛りのある鶯が鳴いており、道端にはニッコウキスゲ がちらほら咲いている。 |
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モミジカラマツ | |
歩き始めて約1時間、登山口から約2kmの地点にある 賽の河原に到着した。この辺り一帯はまさにその名前 の由来を感じさせる光景で花もほとんどない。 |
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コバイケイソウ | |
チングルマの実 | |
さらに15分程歩を進めると、右手に最初の雪渓が見えてきた。 毎年来ているという登山者に聞くと、今年の雪渓はだいぶ 小さいとのこと。 |
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タチギボウシ | |
辺りにはハクサンシャジンや | |
ハクサンフウロが咲いている。 | |
いつの間にか発生した霧の中を歩いて、7:30に中間地点 (登山口から4km)にあたる御浜小屋に到着し、ここで 休憩をとった。 稜線に出たため、強くなった風を避け、岩陰を利用する。 |
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あたりはダイモンジソウや、 | |
ウゴアザミの群生 | |
ハクサンシャジンの群生 | |
トウゲブキ?などのお花畑であった。 | |
御浜小屋の先から眺められるはずの鳥海湖は霧の ため見えなかったが、湖から上ってきたと思われる(?) カエルに出会った。 我々はこのカエルに「チョウカイブジカエル」と命名した。 |
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御浜小屋から八丁坂まではなだらかな尾根の登り で、岩の間はさまざまなお花畑となっている。 ←ハクサンシャジンの群生。 |
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オクキタアザミ | |
男の花道、女の花道を歩む。 | |
鳥海山の花図鑑で花の名前を探す。 この白いのはシラネニンジン?ハクサンボウフウ? |
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八丁坂のピークを超えると | |
いったん石畳の下りとなる。 さらに進んで行く内に、先程までの霧が晴れて |
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左右に広がるお花畑が見えてきた。 ミヤマホツツジ(左)とヨツバシオガマ(右) |
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左手のお花畑の先には大きな雪渓があり、まさに 「雪渓を花が追いかけて行く」という感じの風景が 見られた。 |
お花畑を過ぎると、新山、七高山、外輪山が現れ、勇壮な夏山の姿が美しい。
固有種のチョウカイアザミ とヤマハハコの群生 |
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ハクサンイチゲ | ||
ハクサンイチゲと ミヤマキンポウゲ |
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8:40に七五三掛(シメカケ)辺りで休憩を取り、持参して きたパンなどを食べる。寝不足が続いていると言っている 田形さんの食欲は旺盛だ。 |
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9:00に千蛇谷(雪渓)コースと外輪コースの分岐に到着する。 どのコースにするか考えていると、外輪コースから降りて 来た人が、このコースはアップダウンが多いうえ風が強い、 とのことで雪渓コースを選択することにした。 千蛇谷へハシゴもある急な下り坂を下りる。 |
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千蛇谷雪渓 | ||
分岐から少し行った所で雪渓に降り、雪の上を横断 したが、涼気が感じられ心地よい。 |
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? | ||
クロヅル | ||
再び山道に出て右手に雪渓と岩壁を見ながら進み、9:30に 小休憩を取ったが、この時にハプニングが起きた。 エコーを楽しもうとヤッポーと大きな声を発していたら、雪渓 方面で何やら音がした。何と落石が起きたのである。 岩壁に向かって大声を出すことは、落石を誘引する可能性が あり絶対にやってはいけないことのようである。 |
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ツガザクラ | ||
アキノキリンソウの彼方に山頂を望む。 | ||
ホソバイワベンケイ(赤花) | ||
ここから少し行った所で、新山をバックに集合写真を撮った。 | ||
ハクサンシャジンはいたるところに見られる。 | ||
イワブクロ(右)とイワギキョウ(左) | ||
千蛇谷から頂上までの合目柱もHとなり もう一息。 |
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10:50に頂上下の御室小屋に到着した。 ここには広いスペースがあり大勢の人で混雑していた。 |
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小屋の奥には「鳥海山大物忌神社」があり、参拝を済ませた後 昼食タイムとする。 各自腹ごしらえをしたが、冷たい風が吹き始め、時折顔に雨が 当たるようになり、視界も悪くなってきた。 |
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ちょっと疲れが出たという熊本さんに荷物番をお願いして、 残り6人は新山ドーム(山頂)を目指して空身で出発した。 |
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頂上への道は大きな岩を越して進まねばならず、 なかなかの難所だ。 |
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途中まで行って引き返してくる人もいる中、田形さんは 檻から放たれた虎のように岩を駆け上って行った。 |
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30分程で全員が頂上に辿りついた。 11:46。 山頂は10人も上がれば一杯になるような狭い所で長居は できず、記念写真を撮った後は次ぎに待っている人達と 交替した。 |
360度の展望がきくところだが、ガスでなにも見えず。 下から30名ほどの団体さんが続々と迫ってきて、我々は そそくさと下山開始。 |
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登ってきたのとは反対側の急峻な岩場を難儀しながら 20分程かけて大物忌神社の裏手に下りた。 |
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そこには見慣れぬ白い花が群生していた。 大物忌神社の社務所では、各種お守りと いっしょに「鳥海山百花典」なるポケット 花図鑑を売っていた。 (\1,000+税) 買ってさっそく見てみたら、これが固有種の 「チョウカイフスマ」であることがわかり、感激。 |
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ミヤマキンバイ もあちこちに咲いていた。 |
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御室小屋で荷物番をして待っていてくれた熊本さんと 合流した。 熊本さんは昼寝していたとのことで、フル充電の元気 ハツラツ状態になっていた。 12:25に下山開始する。下りも同じルートを引き返す ことにした。(後で、行きは雪渓コース、帰りは外輪山 コースを通った人に聞いたが、外輪コースの方がラクで 時間的に速いようだ。) |
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下り始めてしばらくして雨が強く降り始めた。 みんな雨具を身に着けたが、下のズボンまで履いた のは2人だけだった。 「雨具のズボンは直に履くと快適…」とは思うが、 室外でこれを実践する場合は他の人の目に注意が 必要である。 |
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御室小屋から1時間ほど降りて雪渓に到着した。 20名余りのツアー客を引き連れたコンダクターが 雪渓の上を縦断して行くというので、我々も後を 着いて行くことにした。 このほうが正規の山道より近道で、凸凹がない ので歩きやすい。 |
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ここで注意しなければならないことは、 雪渓に足を踏み入れる時・雪渓から 上がる時・岩場近くを通る時に、雪渓の 空洞に落ちないようにすること、内壁の 落石に気を配ることがあげられる。 我々が歩いた雪渓の上にはたくさんの 落石があった。 |
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ホソバイワベンケイ(白花) | ||
急なハシゴを登り、外輪山コースとの分岐に出て、 | ||
七五三掛で小休止。 | ||
またまたお花畑。 | ||
七五三掛あたりから雨と風がさらに強くなり始め、 顔にあたる雨が痛く感じられるようになった。 雨具のズボンを履けなかった人は、たちまちずぶ濡れ になってしまった。 八丁坂を登り返し、御浜小屋までの1時間程この風雨 の中を歩いたが、晴れれば暑くて仕方がないこの時期 に、身体が冷えて行くのを感じた。 もっと寒くなる時期や寒い場所では、当然ながら しっかりした装備が必要と思った。 |
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御浜小屋の手前で一瞬霧が晴れ、眼下に鳥海湖を 見ることができた。(が写真ナシ) 御浜小屋14:50着。 中で30分それぞれ着替えを行い 15:20小屋発。 |
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15:56賽ノ河原で最後の休憩。 雨が弱くなったり強くなったりを繰り返す。 |
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ここから50分歩き、駐車場に着いたのは16:50だった。 この下りの道中も風雨は強く、まさに「気象変化の激しい 鳥海山」を実感した。 それでも、昨年登れなかった鳥海山の頂上に立てた ことと、午前中は晴れて一面に広がるお花畑と夏山の 景色を堪能でき、みんな満足の登山だった。 |
予定よりも到着時間が遅くなったので、急いで駐車場で着替えをして酒田に向かった。
本日宿泊の若葉旅館に荷物を降ろし、お風呂セットを持参して本町スパ・ガーデンに向かった。
お風呂とサウナで一日の疲れを洗い流し、19:45から 今回のツアー最後の夕食となった。 |
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昨年以上の豪華な料理と、飲み放題の湯上りの ビール・銘酒「初孫」を心行くまで堪能した。 |
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料金は、入浴料・個室料・新鮮な豪華料理・高級酒 飲み放題で一人なんと4,000円。(スパットコース) 昨年以上にみんな超満足。 お世話になったスパガーデンの方々。 ありがとうございました。本当にごちそうさまでした。 |
旅館に戻って、私の持っていったポータブルナビと熊本さんのデジカメが、雨に濡れて作動しなくなってしまった。
どちらもポケット、またはケースに入れていたが、さらに防水上の対策が必要と感じた。
てなこともあり、この夜は皆さん泥酔、泥睡・・・・・・・・
翌8月10日(月)〜高橋(雄)記〜
若葉旅館で女性陣は朝遅くまで寝ていられると思ったら、早くに目覚めてゴソゴソしている男性陣に5:30に起こされて
しまった。旅館のボイラー室で乾かしていた靴やレインウェアを取り出すのは5:30か、それを逃すと次は8:00とのこと。
8:00では遅いので、やむなく女性陣を起こしたわけだが・・・・
7:00朝食、8:00旅館発。文さんは酒田バスターミナルから山形に向かい、私は岩手の実家へ向かう。
熊本さん、能勢さん、吉松さん、田形さん、小野寺さんは、レンタカーを駅に帰し、8:54〜 酒田発 いなほ6号〜
11:10 新潟 〜 Maxとき322号〜 13:20 東京着で帰りました。
皆さん、4日間、お疲れ様でした・・・・
以上。