5月23日(金)屋久島 宮之浦岳
(レポートby小野寺)
いよいよ今回のメインイベント「最南端の日本百名山“宮之浦岳”」登頂。
林芙美子『浮雲』で「月に35日雨が降る」島として紹介されている屋久島。
本日の降水確率も90%の予想である。
4:00 ホテルロビー集合。夜明け前の暗闇の中、 小雨が降っている。 道すがら「あさひ弁当」で朝食+昼食分の 弁当を受け取る。朝と昼でおにぎりとおかず の種類がほんの少し異なっている心遣いが幸い。 5:30 淀川登山口着。 駐車場は乗用車スペースは10台程度しかなく、 早くもほぼ満車状態。かろうじて道路終点の 道端にスペースを見つけて縦列駐車。 既に日が昇り、鳥が鳴き始めた。 雨も小休止。空気がひんやりしている。 朝食を頂く。雄さんがお茶を沸かしてくれた。嬉しい♪ |
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6:10 きっちり雨仕度を整え、出発。 |
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淀川歩道を行く。丸太のはしごなどが 随所にあり道は整備されている。 |
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6:38 1Km歩いたところで1回目の小休止。 小雨が降ったり止んだりで、森の中の道は 濡れていない。蒸れたウェアに風を入れる。 森林地帯で数少ないがところどころに花が 見られる。 |
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6:50 淀川小屋通過。 |
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急峻な流れの多い屋久島にめずらしく 穏やかな淀川(よどごう)の清流。 宮之浦岳流水は、環境省指定名水百選 のひとつ。 ここから頂上に至るまで、各所に水の 落ちる場所があり保水が可能。 硬度10の超軟水で口当たりまろやかで 甘味さえ感じる。 |
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7:10 2回目の小休止。 雨は小康状態でレインウェアを脱いで ムレを発散。 |
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ハイノキの花が満開。 名前の由来は、木炭にしようとしても灰しか 残らないからという説も。 |
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急勾配が始まる。大杉や太いヒメシャラ (ありえない太さです(*O*)) などの巨木の根を乗り越え、切株更新 (切株の上に新たな木が育つ) を横目に、屋久島の森らしい風景の中を進む。 写真は、岩をかかえて地中に根をのばす杉。 これで下の土や岩が流されると“くぐり杉”の 出来上がり。 |
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8:10 アップダウンしながら標高も上がってきた。 山霧深くモヤっている。 下りが続いた後、急に視界が開けた。 小花之江河(おばなのえごう/1620m)だ。 ミズゴケの保水力でできた湿地帯で、日本 最南端の高層湿原とのこと。 樹皮がはがれた白骨樹により、独特の景色だ。 |
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8:20 10分ほどで先ほどより広大な花之江河 (はなのえごう)着。 緑に囲まれた日本庭園の風情。 ここで行程のほぼ半分である。 |
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8:40 黒味岳分岐点。 黒味岳へは往復1時間程度だが、 寄り道はせず、本命宮之浦岳めざして まっしぐら。 |
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登山道に岩が見え始める。入り組んだ根が 岩を割るように這っている。 小雨が雨になった。樹木が低くなり風あたりも 強くなった。 ロープ場を2箇所乗り越える。 屋久島は全島花崗岩の島だそうだ。 この岩が意外と滑らず、雨にも関わらず足場が しっかりしていて助かった。 |
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岩の中には白い長方形の結晶がタイルの ように埋め込まれている。 どうしてこのような岩ができたのか興味深い。 雄さんは古代文明人の住居のタイルが マグマに混入したに違いない・・と思った そうだが、 真相はこちら または こちら |
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屋久島が原産のシャクナゲの花がそこここに 見え始めた。 ちなみに、シャクナゲに加えテッポウユリも 屋久島が原産とのこと。 低地の住宅の庭や空き地に咲き誇っていた。 |
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9:15 投石平(なげしだいら/1680m)着。 残念ながらモヤで遠望はきかないが、360度 低草木の間にシャクナゲが色を添える山に 囲まれた空間に出た。風が強い。 ここから頂上へ向けてしばらくヤクシマシャクナゲ や各種ツツジの群生が広がる。 雨が止み、風に雲が流され視界が晴れた! 先ほどの投石平を囲む山々が垣間見られた。 |
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またしてもロープ場。 能勢さんがバランスを崩し、左ひじを擦りむく。 宿泊先の温泉は強アルカリ。 お湯が沁みそうだ(T_T)。 |
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岩がゴロゴロした灌木帯を行く。 ランドマークのように各所に巨岩が聳え立つ。 |
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一瞬の晴れ間。“山紫水明 深山幽谷”の 原風景のような見事な眺め! 遠くには海も見渡せた。 |
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ヤクシマシャクナゲの群生や | ||
ツツジ類を見ながら高低差50m程度の アップダウンをいくつか繰り返す。 |
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宮之浦岳まであと0.5Kmとなった。 | ||
10:53 栗生岳(くりおだけ/1867m)。頂上まであと一息! 小野寺はもう足が重くクジけそうになるも皆に 励まされ、ともかく足を運ぶ。 |
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11:10 宮之浦岳(1935m)山頂!!! 晴れていれば360度の眺望とのことだが、 あいにく雲の中。 参考リンク:宮之浦岳山頂からのパノラマ写真 同上 パノラマCG 風も強く、記念撮影後は早々に昼食場所を 探しに下ることとする。 よく紹介されているのは縄文杉への縦走コース だが、我々は淀川登山口に車を置いているため、 来た道を引き返すピストンである。 |
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11:40 栗生岳を過ぎた大岩の陰でお昼を取ることに。 雄さんが、初日に仕込んだ三岳 (みたけ/地元産焼酎)で お湯割りを作り、登頂祝杯♪(*^^)/U☆U\(^^*)。 お湯も投石平手前の流水を沸かし、 100%屋久島産お湯割りだ。 |
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12:10(写) 下山スタート。幸い雨も止み、空が明るくなった。 風が谷から昇ってくる霧雲をどんどん流す。 |
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景色が晴れるとあちこちに 奇岩が見える。神様が積み木遊びをしたような風景だ。 |
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また雨となった石楠花道を行く。 | ||
道端のマムシグサ。 | ||
投石平(なげしだいら)の石楠花 | ||
14:10 雨が強く降り出した。花之江河着。 コケを食むヤクシカを発見! |
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この後、雨は本降りになり、登山道は小さな流れとなった。表土が少ないためか泥水ではない。 雄さんのカメラが雨に濡れ、レンズ前面のシャッターが水ではりついて動かなくなる。 下界では大雨・洪水・雷注意報が出ていたらしい。 激しく降り続く雨の中、あちこちに水の流れが出現する。 木々や苔の緑は増し、森の中は精気があふれるようだが、 我々は靴も浸水し、ずぶぬれである。 ただ一人、GORO靴着用の吉松さんだけは最後まで撥水抜群で、快適な靴内だったとか。 さすが良いものは違う! 16:00 淀川小屋着。雨をのがれ小休止。小屋には全国各地からのパーティが来ていて、 屋久島の全国区ぶりが伺えた。 16:10 再び下山開始。600〜700mほどいった下り坂の渡し橋で能勢さんが勢いよく 足を滑らせ宙を舞い、2m下の側道へ落下!!! そこが岩場でなく若杉が斜面に斜めに生えており、 それを数本犠牲にすることで能勢さんは奇跡の無傷。(´▽`)=3 ほっ。 買ったばかりのリュックの針金が曲がる程度の被害で済んだ。 残り1km余り。慎重に進む。 |
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17:10 淀川登山口到着!水も滴るいいオトコ& いいオンナの、ちょっと疲れた姿です。 (能勢さんのカメラで撮影) 往復歩行距離16km。 29,250歩(by 雄さんの万歩計)。 さぁ、宿へ戻ろう! 濡れたコートをザックカバーにくるみ、 リュックとともに車のトランクへ放り込み、 冷えた体を早く温泉で温めようと一路 ホテルへ。 30分程くねくねと山道を下った頃、 運転席の雄さんが「誰か半ドアじゃない? ドアランプが点いてるよ」 なんと!土砂降りの中、トランクのフタ全開で 走っていた。 何もかもぐしょぐしょのご帰還となった。 |
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18:40 ホテル着。ハプニングはまだまだ続く・・・・。 「温泉上がり時に足に水をかけアイシング すると疲れに良い」という文さんのウンチクに 従い、皆で仲良く実行。 吉松さんがすわったまま足を上げて冷水 シャワーを使うという姿勢で腰をグキッ(゚◇゚)~ 19:45 吉松さんも大事には至らなかったようで、 無事夕食に参加。 雄さんのカメラはシャッターは開くようになり、 撮れるようになったが、中はまだ湿気でご覧 のように曇っている。 |
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本日は洋食ディナー。ムツガレイの包み焼き にも、「三岳」ロックが意外とマッチ♪ 「これ、氷も美味いんだろうなぁ」と雄さんが しみじみ・・・。 21:10 水浸しの靴をホテルのボイラー室で乾かして 頂くことにし、明朝4時集合を約して解散した。 |