07.10.06 吾妻山
今年の8月には岩手県の山を3座登った。
今回は10月6日(土)・7日(日)で日本百名山に名を連ねる福島県の吾妻山と安達太良山の
紅葉が目的で出かけた。
10月初めの三連休とあって東北新幹線 やまびこ43号(東京7:04発)は超満員でデッキまで
10人程立っている有様であった。
幸いなことに指定が取れている雄さん、堀さん夫妻と熊本の4人が今回の参加メンバーである。
朝の天候は青空が広がり、途中の日光男体山、白根山、那須岳等が良く見え、郡山に近づくと
瞬間的に磐梯山がそして安達太良山がハッキリ見える。.
トンネルを幾つか越え、福島に近づくと目の前に吾妻山の山群が大きく雄大な姿を現す。
8:37分福島駅到着。
新幹線構内の駅蕎麦で、先ずは腹ごしらえ
し、駅レンタカーを借りてイヨイヨ二日間の
紅葉の旅をスタートした(9:15)。
レンタカーはメタリックブルーのフィットで
目立ち乗り心地も良い。
磐梯吾妻スカイラインに入り、一路、
東吾妻山群の登山拠点である浄土平を
目指す。
吾妻山は福島県、山形県の跨る大きな
山群で1900m以上の高さを持つ峰が
10座以上も群がる巨大な山群からなり、
今回は福島側で最高峰の東吾妻山1975m
に挑戦する。
約45分で目の前に、草木のない硫黄で
山肌が茶、灰色に染まった吾妻小富士
(1707m)と一切経山 (1945m) が最初に
見え、浄土平(1580m)に到着した(10:00)。
身支度を整え、10:20東吾妻山(1975m)登頂を目指し登山開始した。
浄土平から東吾妻山を見ると、常緑樹の緑一色で紅葉の様子は全く見えない。
東吾妻山と一切経山の中間にある小ピークの蓬莱山(1802m)の山頂近くの山肌が黄色く
そして点々と赤が見える程度で、紅葉が目的で来たが、出だしで不安が頭をかすめる。
暫く平坦な湿原を歩く、背丈10センチ程の
ハエマツに草紅葉、ドウダンツツジ等の赤い色
が映える。
東吾妻山への分岐からイヨイヨ山道の
登山道となり、自然乾燥に近いヤマハハコ
の群生や、1センチ直径程度の小さな白い花
をつけた「白玉の木」、マイズルソウや、
ムシカリの赤い実等がなっている。
一切経山へ目を転じると、登山客は多く、
尾根道に一列縦隊の鈴なりの状態である。
一方我々の方は登山客もそれほど多くは
なく静かな山登りが出来る。
やがて登山道は丸太で階段状に良く整備
された道となり一気に高度を稼いでいく。
堀さん夫妻は元気で先頭をリードしてもらう。
高度を上げるにつれて、下からは見えな
かった赤く紅葉したナナカマドに似た木、
ハゼの木が赤くなり、黄色、紅の比率が
増えてきた。
振り返れば、紅葉した登山道の向こうに
吾妻小富士のお釜口が見え中々の絶景
である。
約40分で登りきると鎌沼・一切経山への
分岐があり、此処からは平坦な湿原の
お花畑が現れる。
ここで最初の休憩を取る(11:00)。
広い湿原には木道が敷かれ、湿原一面に
草紅葉、ドウダンツツジ等が黄色や赤に塗り
つぶしている。
清水が流れている小川の周囲が真っ赤に
紅葉して目を楽しませてくれる。
10分程お花畑の湿原を歩くと、谷地平、
酸ケ平、東吾妻山への姥が原分岐に出る。
目に滲みるような真っ赤に紅葉した木で
記念写真を撮り、イヨイヨ、東吾妻山への
登りに入る。
遠くから見たところでは平坦ななだらかな
スコープの山に見えたが、結構な急登りの
連続で赤茶けた石ころがごろごろし、土は
滑りやすく、何とも歩きにくい登山道である。
四苦八苦しながら40分で平坦な開けた
ところに出た。ここが東吾妻山(1975m)の
山頂である(12:10)。
山頂からは檜原湖、小野川湖、秋元湖の
左に磐梯山(1819m)、その左に猪苗代湖
がパノラマ絵に展開し雄大な眺めである。
山頂は風が強く、山頂からの写真を撮り、
昼食は更に先に風除けを求めて下る。
結構な急下りで20分程を要し展望台に
出て、一面の紅葉の中でヤット昼食にする
ことが出来た(12:30)。
堀さん手造りの煮物を頂き、湯を沸かし
暖かい味噌汁を作ってオニギリをほお張り
楽しい昼食となった。
このコースは登山客も少なく、正面に
磐梯山を見、周囲を紅葉に包まれ、
ユックリとした静かな時間を過ごす至福の
時である。
昼食を取り周辺の紅葉の写真を撮って
下山に入る(13:10)。
ここからの下りは急勾配で赤土の湿った
地肌はツルツル滑りやすく、山側の笹の
生えた狭いところに足場を探しながら慎重
に降りる。
下りでも神経を使うため、汗が吹き出てくる。
途中、木の間から正面に明日登る予定の
安達太良山が見えてきた。
山頂付近はやはり赤茶けた地肌で木は
生えていない。
悪戦苦闘の下りを繰り返すこと50分で、
景場平の湿原に出た(14:00)。
この湿原の紅葉は赤が鮮やかで目に
滲みる。紅葉を満喫しながら木道をノンビリ
散策する。
時期を過ぎたリンドウが茶色く枯れている
がまだ青さを残している花もちらほらと咲い
ており名残を留めている。
最後の下り25分を慎重に降りると磐梯吾妻
スカイラインの鳥子平のバス停に着いた
(14:35)。
浄土平の駐車場まで徒歩1時間であるが、
日に二本のバスが14:52にありバスで戻る
ことにした。
日陰は結構気温が下がっており、体が冷え
てきた、時刻を過ぎても一向にバスが来る
気配がなく、1時間歩く覚悟を決めた時、
10分遅れでバスが来、飛び乗る。
浄土平に戻り、堀さんの奥さんは土産物屋
を覗いているとのことで、雄さん、堀さん、
熊本の3人は吾妻小富士を往復することに
した。荷物をベンチに置き、空身で登る。
早足の往復で山頂からお釜を覗いてきた。
浄土平のレストハウスで今夜の酒を調達、
地元二本松の地酒「奥の松」を仕入れ、
再び雄さんの運転で今夜の宿塩沢温泉
「
湯川荘」に向かう。
塩沢渓谷沿いの「湯川荘」に16:25に到着。
早速、浴衣に着替え、岩風呂、露天風呂と
温泉に浸かり、本日の汗を流し、先ほど
仕入れた日本酒「奥の松」で食前酒を
1時間程飲み、夕食時間(18:30)を待つ。
夕食は13品の料理がテーブル一杯に並び、
4人とも全ての完食は出来ずに残念ながら
残さざるを得なかった。
満腹となった熊本は9時前に布団に潜り、
堀さん、雄さんは飲み残しの奥の松で
最後の仕上げで初日を終了。
7日安達太良へ
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