2012年7月28日~8月1日
聖岳~赤石岳 ④

レポートby吉松

7月31日(火) 快晴

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「百間洞山の家」は造られて間がなさそうな山の家で、しかも比較的ゆったりした寝袋に収まった所為か、充分睡眠を取ることが出来て体力も回復した。
小屋からは、昨日踏破してきた朝日に映える聖岳を望むことが出来た。

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5時過ぎ朝食。他の登山客は早々に山小屋を後にしたが、我々は玄関で写真に収まってから、ゆっくりと5時30分に出立。

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小屋の脇には清流が流れている。長くは手を浸けてはおれないくらい冷たい水だ。

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30分も歩くと、あとは百間平まで岩だらけの道を直登しなければならない。
途中赤石岳を早立ちしたという1人の登山客と行き違っただけで、我々の前後には誰もいない。森林限界はすでに過ぎ、1時間ほどひたすら登り続けた。

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この登山道は大変眺めが素晴らしく、振り返れば朝日を受けている「子兎」と「中盛丸山」が見える。

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遥か遠くには、北アルプスの特徴ある「槍ヶ岳」や「穂高」を望むことが出来る。

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中央アルプスを一望し、さらに目を凝らせばその先に僅かに覗く「乗鞍岳」まで遠望出来た。

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這い松の中に続く登山道。

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更に高度が増して、聖岳も見えてきた(写真左端)

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タカネコウリンカ

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岩と砂利だらけの道を更に登れば、そこが百間平だ。

そこは、名前の通り広々とした台地が目の前に広がり、這い松だけに覆われた世界は山のオアシスみたいな所であった。

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百間平入り口辺りで、ついにクロユリを見つけた。

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チングルマ

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百間平で小休止。

元々あったと思われる標識は、標柱だけが残って板は吹き飛ばされてどこにも見当たらない。

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真新しい標識。

多くの古い標識は、風雪で板が吹き飛ばされていて全く役に立たない。数は少ないが、新しい標識が新設され始めているようだ。

           ヤマハハコ
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          ハクサンフウロ
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小休止の後、「赤石岳」に向かって5分ほど登った辺りから見下ろす百間平。這い松に覆われ広々とした景色がよく分かる。

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百間平(写真手前右)の左奥には、雄雄しい「聖岳」が見えている。

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近くからは確認できなかった「聖岳」斜面に残る雪渓も見えてきた。

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7時50分。岩尾根を50分ほど歩いて「馬ノ背」で小休止。遠くには中央アルプス、北アルプスが望める。

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昇る朝日がまぶしい「赤石岳」への厳しい登山道。

写真で見る通り、「赤石岳」西面には草木一本無く、赤い岩と砂利だけの直登ルートだ。

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8時過ぎ、足元に気をつけながらただひたすら登る。

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岩と石ばかり、すごいガレ場だ。

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少し這い松が出てきた。標識には赤石避難小屋まで30分とはあるが…。

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更にガレ場を登り続ける。30分ではとても小屋まで行けそうにない。

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やっと小屋が見えてきた辺りでふと振り返ると、「富士山」がくっきりと見えていた。

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9時20分、赤石岳避難小屋到着。

昨年お世話になった小屋番夫妻はご健在。焼酎を一緒に飲んだご主人、ハーモニカを吹いてくれたゴロー(登山靴)愛用の奥さんと、一年ぶりの再会を喜んだ。 今年は雨が少なく、命の綱の天水が大分減ってきてしまったとのこと。その天水で奥さんに点てていただいたコーヒーが旨いのなんのって。

クマさん会の旗を持って一緒に写真に収まった後、赤石岳に向けて出発!

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9時50分、赤石山頂(3120m)

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山頂からは、「富士山」がくっきりと

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中央アルプスの先には「御嶽山」も見える。

ヘリの音がする。さっきの小屋番のご主人の話だと自衛隊が百間平で何か訓練をしているらしい。(毎年のこと)

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10時、「赤石岳」を後にして「小赤石岳」方面に向けて下っていく。

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イワヒバリが数羽、草の芽を啄ばんでいた。あまり人間を恐れず近くまで寄ってきた。

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色とりどりの花々

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イワベンケイ(雌株)

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「砲台休憩所」までの下りの暫くは広大なお花畑が続く。
(写真は、ミヤマキンバイやハクサンイチゲの群落)

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11時30分、通称「砲台休憩所」で小休止

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「砲台休憩所」

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富士見平に向かう途中、 こんなところで・・・・。

堀さん滑落。憮然と指し示す先に、幸いに樹木が茂っていて身体ひとつが落ちただけで止まり大事には至らなかったが、ガレ場であれば命に係る大惨事になるところであった。
左手で突いていたストックが何かの拍子で岩に挟まり、バランスを壊しての転倒でした。かすり傷だけで済んでラッキーでした。
(落し物、忘れ物はありませんでしたが、今回は大事な身体ごとブッシュに落とした堀さんでした。)
「次回は命を落とす」って? それは悪い冗談だよ。
しかし、皆さんも気を付けてください。(堀)

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12時55分、「富士見平」到着(2701m)、ここで持参のパンにパクついて昼飯。

写真後方には、今下りてきた「赤石岳」が見える。

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折角の「富士見平」から望む「富士山」も、午後ともなると雲に覆われて良く見えなくなってしまった。

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13時30分過ぎ、本日宿泊予定の赤石小屋(2564m)に到着。

写真は、赤石小屋から望む「赤石岳(右)」と「聖岳(左後方)」。

*計画では赤石小屋で宿泊する予定であったが、あと3時間半(1450m)下れば「風呂」と「生ビール」にありつける椹島ロッジに着く。椹島のゲストハウスでは、19時までオーダーを受けられるという情報も得る。既に8時間以上歩いてはいたが、やはり「風呂&生ビール」の誘惑にはどうしても勝てず、今日中に下山と決断。

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椹島ロッジの夕食申し込みは既に間に合わない。下山と決めたからには、何としてもゲストハウスのオーダーストップ前にはロッジまで下らなければならない。写真撮影もそこそこに、下山を開始。

(最初の1時間ほどは標準コース時間よりも早いペースであったが、徐々にスピードが落ちてきて、遂にはむしろコース時間よりも遅いペースになってきた。「風呂&生ビール」が目の前にチラつかなければ、とても耐えられないほどの難行苦行の下山になってきた。)

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17時30分。息も絶え絶えで、椹島への最後のハシゴに到着。

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ハシゴ段をゆっくり下りる堀さんを後にして、吉松はゲストハウスのオーダーストップ時間を確認に急いだ。

ウェイター嬢に聞けば、「食事、おつまみは18時30分、飲み物は18時45分にオーダーストップ」だとのこと。これで、風呂でひと汗流し生ビールも飲めると確信。それでこそ、3時間半の下山を頑張った甲斐があったというものだ。

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我々2人だけでゲストハウスを占領して、生ビールで乾杯。

本日は12時間の踏破、良く歩きました。昨日も5時10分から16時30分11時間余り歩いたので、2日続きの強行軍。さすがに疲れた。

8月1日(水) 晴のちにわか雨

椹島ロッジで充分に睡眠を取り、爽快な目覚め。今日はのんびり帰るだけだ。朝食をゆっくりとって、帰路についた。
4泊5日、しかも一日辺りの歩行時間が長い登山であったが、やり遂げた満足感と、平均年齢65歳でももうしばらくは頑張れそうな勇気が得られた登山行でした。

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