2010年8月21日(土曜) 奥秩父 金峰山

レポートby 熊本

 

今回の登山は奥秩父の金峰山(キンプサン:2599m:日本百名山)。

山岳党の大先輩「木暮理太郎」氏は「金峰山」を、

「金峰山は実に立派な山だ。独り秩父山脈中に嶄然(ざんぜん)頭角を抜いて居るばかりでなく、日本の山の中

でも第二流を下る山ではない。世に男の中の男を称えて裸百貫という諺があるが、金峰山も何処へ放り出しても

百貫の貫禄を備えた山の中の山である」と言っている。

秩父で一番標高が高いのが金峰山(2,599m)ではなく、1m高い奥千丈岳(2600m)に首位を譲り、第二位に

甘んじている。

 

今日の東京は猛暑の予報で、標高2600mの涼を求めて田上さん、高橋雄さん、熊本の3名が参加した。

登山口の大弛峠は1昨年、国師岳、奥千丈岳に来た際、駐車に難儀したことがあり、新宿6:00、立川6:43

電車に乗ることにした。お陰で、最寄り駅の始発電車では間に合わず、田上さんは天王洲から品川まで徒歩、

熊本は蒲田まで4kmを自転車でいくことになった。・・・・・・・・・・・

塩山駅に8:13着。

早速駅近くのオリックスレンタカーへ行き手続きをとり10:30に出発する。

途中セブンイレブンで水、他を調達し大弛峠に向かう。

 

塩山から大弛峠へは山に登り始めると、ヘアピンカーブの連続で約1時間30分かかり、標高2360mまで上がった。大菩薩峠、乾徳山、瑞牆山の山頂よりも高い標高にある。

予想通り、駐車場は満杯であり、結局、500mほど戻った路肩に駐車せざるを得なかった。

空は青く澄んでおり陽射しは強いが、2300mの高地はやはり涼しい。

大弛峠の登山口で最初の写真を撮り登山開始となる(10:15)。

大弛峠から一歩、登山道に踏み込めば、金峰山頂に至る登山道(稜線)は、山梨と長野の県境を歩くことになる。

登山口からはシラビソの鬱蒼とした樹林帯に入る。昨夜降ったのか所々泥濘がる。

急登を一気に登ると、

苔むした大きな裸岩のピークを越える。

次は緩やかな下りになる。

下り切った鞍部(2420m)が朝日峠であった。

登り始めから丁度30分となり最初の給水タイムを採る。

まだまだ余裕の笑顔がこぼれる。

朝日峠から朝日岳の登りにかかると、ハエマツと苔むした倒木など陽の射さない薄暗い登山道になる。30分ほど汗をかきながら高度を稼ぐ。

急に視界が開け、大きな石の重なりあったガレ場となった。両側が切れ絶って遠望が利く。

ここで二回目の集合写真を撮る。

バックは奥千丈岳。

山梨側の国師岳、奥千丈岳はガスや雲で覆われている。勿論富士山や南アルプスは雲の中だ。

一方、長野県側は見通しが良く、

遠くまで山並みが見えるがこれは長野の山ではなく、群馬県上州の山であろう。

真下に、信州側からの金峰山登山口である川上村の市街が見え、その前に切り立った岩峰のピークが見える。

一昨年国師岳を登った時見た光景である。

大きな石のガレ場を登りきると、古びた木の標識があり、そこが「朝日岳(2,581m)」山頂であった(11:30)。金峰山頂より18m低いだけである。

登頂記念写真を撮る。

この山頂は疎林でかこまれ展望は利かない休憩せずにそのまま進む。

更に進み、朝日岳山頂の西端に来ると樹林帯が切れたところにベンチがあり正面の展望が開け、鉄山から金峰山の尾根が緑の稜線を青空に浮き上がらせ、山頂の五丈岩が大きく屹立している。これから目指す山頂だ。

金峰山をバックに写真を撮る。

ここから一気に急斜面のガレ場を急降下する。鉄山を右に巻くようにして、下っても下っても延々下り続け、恐らく標高差100m以上は下っているだろう。やっと鞍部につき一息入れる。

 

鞍部から樹林帯の登りを始めると、シャクナゲ林の登山道となり樹林の背丈が低くなりやがてハイマツとなり森林限界になってきた。

真っ直ぐに登りきると広いガレ場の尾根に出て、360度遮るものがなく展望が開けた。

ここが「賽の河原」のガレ場だ。

五丈岩も直ぐ近くだ。

左写真の中央の山は瑞牆山

大きな石の重なったトンネルを抜ければ、目の前に金峰山頂の標識があった。

山頂でカメラをセットする雄さん

金峰山頂で記念写真

山頂から見た金峰山のシンボル

「五丈岩」高さは約15mある。

金峰山頂から奇峰、奇岩の瑞牆山(2230m)の全貌

五丈岩の近くで瑞牆山を眺めながらの昼食。

爽やかな微風で気温20度以下か、この涼が今回の最高の恵みであり、東京を脱出してきた甲斐があった。

五丈岩から瑞牆山までのパノラマ。瑞牆山方面からの登りは、小ピークをいくつも越え、大変である。

目の前に表面が金色に輝いている大きなキノコがあった。「キンプ茸」と我々は勝手に命名。

五丈岩をバックに記念写真

五丈岩から見た金峰山頂

下りに入り、登りのルートを折り返す。

石岩のガレ場で信州側の見納めに写真に収める。

通常の山では登りの2/3の時間で下れるのだが、この金峰の大弛峠間のルートは幾つかのピークの登り下りがあるため、時間はほぼ同じくらい掛かる。帰りは足に疲れが溜まり重く、朝日岳直前の急登りがキツイ。

予定通り15:30に大弛峠の登山口に戻った。路駐した車まで駐車場から500m下る。

次は巨峰の丘「牧丘」の麓にある「はやぶさ温泉」に行く。

昨年の秋、西沢渓谷の帰りに寄った温泉である。

無色透明の高アルカリ泉で源泉掛け流しの天然温泉である。

ここでは、内湯と露天風呂で汗を流し冷たい牛乳を飲んで休憩することなく塩山駅に向かい、レンタカーを返却する。

駅前の食堂に入り、馬刺しでビールで乾杯。(残念ながら生ビールは無かった)

田上さんが「ほうとう」が好物とのことで、3人とも注文。

こんどは冷酒で。

約1時間食堂で食事休憩して、

17:13の特急かいじで帰路に着く。(約24,000歩)

立川で雄さんとお別れ。

レンタカーも往復運転有難うございました。

田上さん、熊本は新宿まで乗る。

流石に標高2600mの風は爽やかで涼しく、下界の猛暑を忘れさせてくれました。

奇峰、岩峰の瑞牆山もガスが掛からずハッキリと目にすることが出来て大満足の金峰山ハイクでした。

 

次回は9月4日() 八ヶ岳の麓「天女山(甲斐大泉)〜美の森(清里)」の初心者コースです。

 

【高橋(雄)追記】

今回の金峰山はいつもとちょっと感じが違うと思いませんでしたか?

そう、花の写真が1枚もありません。歩行中、めぼしい花には全く出会いませんでした。夏山でこんな経験は

たぶん初めてだと思います。高山植物を期待していたのですが、この時期は端境期なのでしょうか。

かわりに、キノコはたくさんあり、撮りまくりでした。以下その写真です。できれば名前はそのうち調べて

追記しておきたいと思いますが(ご存じの方は教えてください)、まずはご覧ください。

一番大きな極めつけは、山頂で見つけた金色の、我々が勝手に「キンプ茸」と呼んだものでした。

というわけで、キノコは満開の金峰山でした。

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