2009年10月2日(金)・3日(土) 木曽駒ケ岳

レポートby 熊本

102日(金)・3日(土)で「紅葉の木曽駒が岳」を企画し、登ってきました。

日本全国に「駒ケ岳」の名を冠する山は18山あるそうですが、甲斐駒ケ岳(2966m東駒)が最も高く、木曾駒は10m低いがこれに次いで2番目(2956m西駒)に高い山で、長野県南部から岐阜県境にかけて木曽谷と伊那谷を分かつ南北80Kmに連なる中央アルプスの最高峰です。

今回は当初9名の方が参加予定をしていましたが、2日3日とも秋雨前線の影響で平地でも曇り時々雨の予報で4名がキャンセルし、

小野寺さん、竹内さん、能勢さん、吉松さん、熊本の5名となりました。

2日、予報に違わず小雨の中の出発となり、新宿7時発のスーパーあずさ1号で小野寺さん、吉松さん、熊本が乗り、竹内さん、能勢さんが大宮から乗車してきました。

中央線沿線では濃いガスと小雨で南アルプスや八ヶ岳の雄姿は残念ながら全く見ることはできませんでした。

 

岡谷で飯田線に乗換え、右手に南アルプス、左手に中央アルプスが連なる伊那谷を電車は走り、1時間強で駒ヶ根の駅に着く(10:47:標高670m)。

列車からは雨にも係わらず大きなザックを担いだ20名ほどの登山客が降りました。

 

11:00発の「駒ケ岳行」のバスに乗った登山客は我々の5名のみで、他の登山客は何処へ消えたのか?

ガラ空きのバスの中で発車前に、吉松さんが早くも雨具を着始める。出発後、他のメンバーも吉松さんに右へ倣えと雨具を装着する。約50分でバスは標高1662mの「しらび平」ロープウエー駅に着く(11:50)。しらび平付近の紅葉は未だ色づいていない。

駒ケ岳ロープウエーは山頂駅まで標高差950m730秒で上がり、そのスピードは恐ろしく速い。標高2000m位から黄色やナナカマドの赤が山肌を染めるようになるが、窓には雨粒が付き、写真ではその美しさは撮れなかった。

山頂駅は2612mの高さにあり、一気に上がったので、高山病を懸念したが、皆さん十分な水分補給で問題はなかった。

12時を過ぎ、先ずは昼食だが、外は雨で風も強いため、駅舎内にある「ホテル千畳敷」の食堂に入り、夫々、なめこ汁や豚汁を頼み、持参した弁当を広げユックリ昼食を取ることにした。

13:00、雨の完全装備をし、

駅舎前にある「宝剣岳 千畳敷カール」の案内板の前でスタートの写真を撮りいよいよ雨の中、出発する。

視界が50mほどの薄いガスが掛かっており写真では鮮明に見えないが、紅葉は真っ盛りである。

ナナカマドもスッカリ赤く色付き常緑樹の緑や黄葉に映えて綺麗だ。

ナナカマドの向こうロープウエー山頂駅が薄いガスで霞んで見える。

紅葉で目の保養をしながら千畳敷カールを徐々に登りながら約半周する。

15分ほど歩いたところが、周遊コースから外れる木曽駒ケ岳・宝剣岳への登り口である。

千畳敷から登り切った尾根の「乗越浄土(2853m)」まで標高差約250mの登りが「八丁坂」と名付けられている。

八丁坂は岩のゴロゴロした急坂で登るにつれて傾斜が強まり左手の宝剣岳の岩峰や右手の奇峰、奇岩が迫ってくる。

更に高度を上げていくと、谷から噴上げる雨まじりの風が強くなり、時に風速20mに近い突風に叩かれ、景色や写真を撮る余裕は全くない。風に飛ばされないよう、山側の岩をシッカリと掴み、目は常時足元を見つめ黙々と登る。

尾根に近づくにつれ風は一層強くなる。手が痺れるほど冷たく相当気温は低い。

何とか踏ん張り、約1時間で八丁坂を登りきり乗越浄土(2853m)の尾根にたどり着いた。

ここから本日宿泊する宝剣山荘は目と鼻の先である。何とか無事、山小屋に飛び込み全員ホットする。

2時にチェックイン(¥8000-)し、6人部屋の1号室を確保する。本日の山登りは打ち止めとし、山頂アタックは明朝に計画変更する。となると、

夕食(5時)まではタップリ時間があり、ストーブのある食堂に場所を変えて宴会が始まる。

 

夕食の5時には全員が、食前酒で顔は真っ赤になっている。

今日は4000歩程度で大して歩いていないが食欲は旺盛だ。

宝剣山荘の夕食メニューは

ハンバーグステーキ、野菜の煮物、野菜サラダ、スイートポテト、お澄ましで3000m級の山小屋での標準的な食事だ。

6人部屋で5人の布団を敷く、夜起きた時に他人を踏まないように配置するのは少々頭を使う。

贅沢にも羽毛布団がフカフカで軽く温かく気持ちが良い。明日の午後から天候回復の予報を聞き、

明日に期待をかけ早々と19時に就寝となる。

2日目(103日 土曜)

朝食は6時から一斉に始まるが、ツアー団体が5時半から食事に入った。しかし朝はまだ雨が降っており、風も強く無理をして早立ちする必要もないのだが、ツアーは融通が利かないようだ。次々と宿泊者が雨の中を出発するのを横目に見ながら、我々は焦らず天候に逆らわず、悠然と外の様子を見ながらギリギリまで待ち、ストーブを囲み、昨夜雨で濡れた衣類や靴を乾かす。

60名いた宿泊客で最後に残ったのは我々5人だけになった。

風も弱まり、雨も霧雨になっていよいよ我々の出発の時が来たようだ。

 

8:30ザックを山小屋に残し、身軽で駒ケ岳山頂を目指し出発した。

天狗荘の前を通り、暫く行くと中岳山頂へのコースと巻き道を通り駒ケ岳山頂へ向かう分岐で、我々は中岳の巻き道を選んだ。

中岳は花崗岩の岩山である。

巻き道は左から中腹を巻くようになり、左手の谷側は切り立った断崖になっていてリスクが大きい岩場の連続となる。

岩は濡れているが滑りにくいのが救いであり、山側の岩をシッカリ右手で掴み慎重に登り降りする。

10分程、岩壁の登山道を注意しながら下ると広いガレ場の鞍部に出る。コマクサの群生地でもあり78月はさぞかい見事であろう。

 

広い鞍部の中間ある頂上小屋を横目に見ながら山頂への登りに入る。10分少々急な斜面を登ると祠が見え、そこが2956mの木曽駒ケ岳山頂であった。

雨も上がった。思ったほど寒くはない。

宝剣山荘から中岳山頂経由だと1時間かかるが、巻き道のショートカットのお陰で、約40分で来た(9:10)

 

山頂からは視界4〜50m程でとても遠望は望めない。天候が良ければ、南アルプス、富士山、反対側には御嶽山や北アルプスが見える360度の展望だが、これは次回の恵みにとって置こう。

神社に安全登山を参拝し下山に入る。

戻りも同じスリルのある中岳の岩壁巻き道のコースを取り、無事、宝剣山荘に戻った(10:20)。

 

 

ストーブで暖を取りながら、持ってきたパンなどで小腹を満たし、雨は上がったが一応、完全装備で宝剣山荘を後にし、千畳敷カールへの下山に入る(11:00)。

雨は上がったが谷から昇ろ濃いガスで視界は悪い。

先頭は能勢さん、小野寺さん、竹内さん、吉松さんと続き、熊本は写真を取りながら最後尾から追う。

徐々にガスが薄くなり登山道の両壁の奇峰、奇岩がハッキリしてきた。

今日は土曜日で山頂を目指す登山客が多く賑わいを見せている。

奇峰や

奇岩が次々と現れる。

オットセイ岩?

千畳敷カールの中腹まで下りると、ガスは殆ど取れ、展望が開けてきた。

ロープウエー山頂駅もハッキリ見えるようになり、眼下に紅葉が広がり全員、喜びの歓声を上げ、暫し絶景に見とれる。

山頂に向けてのガスも薄くなり、奇岩、奇峰がニョキニョキと天に向かって突きだしていた。

八丁坂を下り切り、紅葉の千畳敷カールの周回コースに戻った。

 

東側を望むと上空には眩しいほどの青空が広がり始めた。

千畳敷カール遊歩道の見晴台(剣が池付近)に着いたころには上空は快晴となり最高の展望となった。(11:30

ボウルを二つに割ったような千畳敷カールは、典型的な氷河圏谷(カール)で、カールを囲む急峻なカール壁の氷食尖峰も顕著で、これらが千畳敷カールの見事な景観を造りだしている。

昼食は入浴後、温泉で食べようと、山頂駅11:40のロープウエーに乗り、麓駅に直行する。

ロープウエーから木曽駒中腹2000m辺りの岩壁や幾つかの滝が見事だが、濃いガスに包まれて残念ながらカメラに収めることは出来なかった。

駒ヶ根駅へのバスは12:10発でまだ25分程あり、タクシーに聞くと「こまくさの湯」まで約4000円で5名OKとのこと。バス代より安く、直ぐに乗り込み、「こまくさの湯」へ急行する。

 

早太郎温泉「こまくさの湯」は日帰り温泉施設でサウナ、薬草の湯、ジャグジー、露天風呂があり、

 

2時間とタップリの時間で、入浴・休憩・昼食を取る。

14:25タクシーで駒ヶ根駅に向かい、14:472両編成 普通電車で岡谷乗換えで、特急あずさ24号自由席が空いており、5人まとまって座ることが出来き、焼酎、ウイスキー、日本酒と飲み続けて帰路についた。

 

 

今回、初日は雨風が強かったが、二日目は天候も回復に向かい、駒ケ岳山頂に立ち、快晴の中で紅葉の千畳敷カール全景を

見ることが出来、その雄大な景観に感激し、初期の目標を達成することができました。

 

 

いよいよ、ネパールトレッキングチーム(3名)が1015日(木)に出発します。

トレッキングルートはホームページ 行動計画表の詳細に載せています。

115日(木)に帰国の予定で、目的を果たし無事帰還を祈っています。

 

次回ホームページのご案内は1024日のコスモス・ウオーキング(昭和記念公園)の予定です。

 
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