2009年9月25日(金)・26日(土) 尾瀬 至仏山

レポートby熊本

 

急遽の思い立ちで3日前の案内、それも金曜出発で、他の参加者を得られず、単独行となった。

福島県の「燧岳(2346m)」と群馬県の「至仏山(2228m)」に挟まれ「尾瀬ヶ原(1350m)」があり、

春の水芭蕉、リュウキンカ、夏のニッコウキスゲに代表される高山植物や湿原の花が特に有名で、その時期は

訪れる人も多く、木道を溢れるばかりの大混雑となり、山小屋もギュウギュウ詰めに押し込まれる。

今回は、秋の静かな草モミジの「尾瀬ヶ原」散策と「至仏山」登山を行った。

ここで連絡バスに乗換え鳩待峠には11:45に着いたが、ここでまで来たのは二人だけだった。

 

25日(金)

上野発7:20の「水上1号」で沼田へ
(9:35着)、沼田から大清水行きの
ガラ空きのバスに乗り(9:35)、
尾瀬戸倉の鳩待峠連絡所まで約1時間半
かかった

(11:04着:¥2100)。

上空は眩しいほどの青空が広がっている。

6分待ちで連絡バスがあり、乗ったのは、
私の他に、男性が一名のみで、尾瀬ヶ原を
散策し最終バスで日帰りだそうだ。
11:45に標高1591mの鳩待峠に到着。

我々のバスを降りたのは二人だけであったが、
鳩待山荘前のベンチには人がいっぱいおり、
胸のツアー会社のワッペンをつけた人たちが
昼食中であった。

 

私もベンチに腰掛、持参した昼食を取る。

昼食を終え、12:05に出発する。

鳩待峠から山の鼻(1350m)まで
3.3km、標高差240mの下りで、
樹林帯の中を木道が続いている。

展望は殆どない。

所々、左手の木の間から至仏山が見え、
山肌が赤く染まっていて、明日の紅葉登山
が楽しみである。

暫く木道を下ると、最初に現れた紅葉は
真っ赤になった「オオカメノキ」である。

次に大きな黄色から赤くなりかけたモミジ
が現れる。

木道の脇には薄空色のトリカブトが咲き、

オオカメノキの赤い木の実

色濃いトリカブトが現れ、この山の鼻まで
のコースは、この時期トリカブトがそこ此処
に咲いていた。

常緑樹に絡みついたツタモミジの紅葉

マユミの赤い実などを見ながら約1時間ほど
下ると前方に、
山の鼻ビジターセンターが
見えてきた。

13時に本日宿泊する「至仏山荘」に到着し、
早速チェックイン(一泊
2食¥8500−)。
登山ザックを部屋に置き、水、カメラ、三脚のみ
と軽装になり「尾瀬ヶ原」散策に出かける。

山の鼻から仰ぐ至仏山

春・夏と異なり尾瀬ヶ原の木道には人影も
マバラで、静かなクサモミジの尾瀬をジックリ
味わえる。

秋の花は少ないが木道の両側には「エゾリンドウ」
が多数咲き、

見過ごしてしまいそうな「ウメバチソウ」

ウメバチソウより花弁が丸くない・・・・

 シラネニンジン?

至仏山をバックに一枚

ワレモコウ

 

ミヤマアキノキリンソウ

池塘のヒツジグサとオシドリ

三又付近から見た燧岳

2時間ほど尾瀬ヶ原を散策し、「至仏山荘」
に戻る。

「至仏山荘」は東京電力が管理する山小屋で、
温泉ではないが風呂があり
(15:30から)
館内は綺麗で清潔感に溢れている、トイレも
ウオシュレットで洗面所も綺麗であった。
早速、熱い風呂に浸かり汗をながして、
談話室のベランダで至仏山を眺めながら
缶ビールで一杯やり夕食を待つ。

夕食は17:00からで、刺身コンニャク、鯖煮付け、
鶏肉煮、熱々のきのこ汁が旨かった。

結局この日の宿泊者は二人ペアーが二組、と
私の
5人だけ、7.5畳を独り占めで悠々、
快適に過ごす。20:30就寝。

926日(土)

4時半起床、まだ外は暗い。
昨夜雨は降らなかったようだ。
思った程寒くない。

今日は至仏山に登る、登山準備を整え
6時朝食を取り、6時半出発。至仏山は
ガスの中である。

山の鼻から至仏山へのコースは登り専用と
なっており、
18001900m付近にある
蛇紋岩の尾根が滑りやすく、下りが危険な
ためである。

至仏山荘から木道を10分弱で登山口に着く。
イキナリ、
木の急な階段の連続で、大汗をかき、
長袖上着を脱ぎ
Tシャツ一枚になる。

黄色や、赤に彩られた樹林帯を暫く登る。

標高1600mを越えると登山道は一面の紅葉
となり、そのトンネルの中を登る。

振り返ると、眼下に尾瀬ヶ原が見え始めるが
燧岳はガスの中で全く見えない。

足元にはツリガネニンジンや

シロバナトウウチソウ

白い菊科の花が咲いていた。

1700mを越えるとになると森林限界となり、
紅葉もナナカマドが多くなる。
この登りコースからの登山客は余り多くなく、

数組のパーティーに会っただけで、マイペース
の静かな登山が出来る。

やがて蛇紋岩の崩れた大きな石の登山道
に変わる。
滑りやすく歩きにくい。

1800m位から蛇紋岩の尾根になり、鎖場が
3個所あり、乾燥していても岩の表面は
ツルツルして滑りやすく、とても下りは
危険だ。
雨はこのコースは登りでも止めた方が無難
である。

 

 

2000mを越えるとドウダンツツジの紅葉と
ハエマツの緑との調和が綺麗だ。
高度を上げるにつれて風がつよくなり、雨具
の上着を着る。

9:20、登り始めてから2時間50分で、
二等三角点がある至仏山頂(2228m)
に立った。
山頂は鳩待峠からの登山客で満杯になって
いる。上空は青空が出始めたが
ガスで遠望
は利かなく、
30分程山頂でガスが切れるの
を待ったが、燧岳も全く姿を現さない。

 

あと30分もすればガスが取れそうだが、
諦めて、小至仏山に向かう(9:50)。

小至仏山に向かう途中で、ガスが完全に取れ、
青空のなか燧岳が全姿を現し、その手前に
尾瀬ヶ原が広がる。


暑いくらいの日差しを受けて10:35に小至仏山(2162m)到着。
山頂からのパノラマ写真
 

小至仏山から悪沢の頭(2043m)、
オヤマ沢(1980m)
を経て鳩待峠まで
一気に下った。

 

 鳩待峠に12:20に着き、持参したパン、キュウリ、柿で昼食を取っていると、尾瀬戸倉行の乗合タクシー(バス券と共通)が
35
分で出るということで、乗り込んだ。30分で戸倉に到着。戸倉で入浴してから帰ろうと計画していたが、5分後に沼田行きのバス
があるとのことで、
入浴を中止し沼田に直行することにした。

沼田には14:40に到着した。お陰で、予定の特急水上6号(沼田17:00)よりも2時間近く早い水上4号(沼田15:13)
乗れ、明るいうちに帰ることが出来た。

 

急に思い立った尾瀬行であったが、天候に恵まれ、静かな草モミジの尾瀬ヶ原と紅葉の至仏山を堪能した。

 

今回は金曜出発で電車を利用したが、土・日の場合は関越交通のバスが新宿(7:50発)−戸倉(11:40)・大清水(11:50)

があり、往復料金が¥7000−と超格安料金であり、これを利用するのが良い。

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