2009年9月11日(金)八ヶ岳2
赤岳・阿弥陀岳
(レポートby吉松)
翌朝5時起床。気温マイナス2度。少し雲はあるが、風も穏やかで天気は良さそうだ。
奮発して個室にしたお陰でしっかり睡眠をとることができた。
日の出は5時20分。雲のために山間から上がって くるご来光を迎えることはできなかったが、その分 雲が照り返す朝焼けが見事である。 |
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富士山の美しいシルエットも見応えがあった。 まだ日が当たらない茅野の街に目をやると、街明かり が遠くに点滅していた。 |
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5時30分、山小屋に「朝食準備完了」の案内が流れた。 | |
バイキングによる朝食をしっかり食べて、今日も 頑張るぞー! |
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6時30分、寒さ対策をしっかりして天望荘を出発。 目指すは八ヶ岳の主峰「赤岳」だ。 |
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夜間の寒気で霜柱も立っている。 | |
山小屋から少し行くと早速小石の多い岩場の急登に 取り付いて、小屋からの高低差280mを一気に登り 始めることになった。 |
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低木が多少生えてはいるものの、登るにしたがって 足場はほとんど岩だらけ。赤岳名前の由来どおり酸化 して赤茶けた岩だ。 |
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振り返れば、天望荘が眼下に。その先にそびえ立つ 山は横岳だ。 |
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長い鎖場はゆっくりと登る。 | |
風化して割れた小石に足を滑らさないように、注意だけ は怠らなかった。 |
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赤岳山頂小屋を横目に通り過ぎると、 | |
目指す赤岳山頂はもうすぐだ。 | |
7時15分、ついに赤岳山頂に到着(2899m)、一気に 視界が開けた。山頂には小さな赤岳神社の祠が鎮座 していた。 |
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山頂には一等三角点も。 | |
赤岳から望む富士 | |
権現岳の先には南アルプスの峰々が |
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阿弥陀岳越しには御嶽、乗鞍岳が | |
遥かかなたには北アルプスも | |
霧ヶ峰のはるか向こうに槍、穂高連峰 しばし赤岳山頂からの眺めを楽しんでから、今度は 中岳経由で阿弥陀岳を目指した。赤岳山頂から 中岳に向かう下山道は、展望荘からの登り道よりも はるかに急峻な岩場を下ることになる。 |
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梯子を利用して降りないととても下ってはいけない。 | |
一歩一歩足場をしっかり確保しながら、鎖を頼りに 降りなければならない。次々に続く鎖場をとにかく 慎重に下りることにした。 |
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長くて急な岩場を降り切ってやっと一安心。 | |
一息ついて振り返って見上げる赤岳の姿。 こんな岩山を降りてきたのだ。 |
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人心地ついて遠くへ眼をやると、南アルプスの北岳、 甲斐駒ケ岳、仙丈ケ岳が見える。 用心しながら降りてきたので、赤岳と中岳の鞍部に たどり着くまでたっぷり一時間を要した。 |
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鞍部でしばし息を整えて、早速中岳越えに取り掛かる。 | |
振り返れば、赤岳の岩場に続く下山道がよく見える。 | |
中岳の頂は小さな碑があるだけ。ちょっと寂しい。 | |
休憩を取らずに、すぐに下り始めた。 | |
遠くに阿弥陀岳を見ながら降りると、やがて辺りを 這い松がびっしり覆っている。 |
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松の実をついばむホシガラスがあちこちで見られた。 | |
啄ばんだあとの松の実。堀さんも口に含んだが、 まずいそうだ。 |
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このあたりには高山植物が多い。コマクサ |
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トウヤクリンンドウ | |
タカネニガナ | |
中岳と阿弥陀岳の鞍部で大休止。 気温が上がってきたので着込んだ服を脱いで薄着に。 赤岳からの岩場の長い下りで少々エネルギーを使い すぎた鵜飼さんは、阿弥陀岳往復は敬遠。 鞍部で堀さんと吉松のリュックを見張ってもらうことに なった。 |
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鞍部から望む富士 | |
9時、堀さんと吉松は荷物を鵜飼さんに預け、カメラだけ 持って阿弥陀岳を往復することにした。 この山も赤岳に負けず劣らず岩だらけの切り立った山だ。 ザックを背負っていたらどれほど大変だったことだろう。 |
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鵜飼さんに今回の登山で二度目の感謝をしつつ (一度目は勿論、雨を呼ばなかったことに感謝)、 二人は山頂を目指した。 |
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鵜飼さんは少々寂しそう。もしかしたら、早速温かい 日差しでうたた寝か? |
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登山道に咲く可憐な花、ヤマハハコ。 | |
ナナカマドの真っ赤な実 | |
タカネナデシコ | |
9時30分、ついに阿弥陀岳頂上に到着(2805m)。 | |
山頂には赤く染められた三角点があった。 |
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雲が流れて晴れてきた所為か、赤岳に増して360度 の眺望を堪能することができた。中央アルプスと御嶽山。 |
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天狗岳と蓼科山 | |
横岳、硫黄岳。 | |
八ヶ岳の主峰赤岳 上3枚をパノラマ合成すると以下になります。↓ |
今回の目指す山は阿弥陀岳で終了。 滑りやすい瓦礫の道に気をつけながら鵜飼さんの 待つ鞍部へ向かった。 |
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青空をバックに、満足げに岩場に立つ堀さん。 | |
今回の登山の全ての目的を達成して、景色や小さな 花々を写真に収めながら行者小屋に向けて下った。 トリカブトの花もそろそろ秋の装い。 |
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ヤマタツナミソウ | |
森林浴もたっぷりしながらゆっくり下山。 | |
美濃戸山荘13時5分着、赤岳山荘13時10分到着。ここで、この山で採れた山菜が一杯入った暖かいそばを食べて人心地がついた。 少々塩辛かったが、汗を流した後の身体にはちょうど良い。ここからバス停のある八ヶ岳山荘までは車道だ。昼食でエネルギーが補充 されて猛然と歩くスピードが上がり、14時10分には着いてしまった。 |
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八ヶ岳山荘で、バスが来るまで40分ほど休憩。 整理運動をしたり、アイスクリームを食ったり。 |
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15時40分、茅野駅着。鵜飼さんは温泉に入らずに そのまま帰宅。堀さん、吉松は「アクアランド茅野」で 一汗流した。生憎ここは市民の健康ランドらしくて飲食 を一切出しておらず、楽しみの生ビールはしばしお預け。 |
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茅野駅ホームで、なにはともあれ缶ビールで乾杯! |
車中で更に買い足してまた乾杯!
天気に恵まれた素晴らしい八ヶ岳登山でした。
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