27日(月)

朝、6時起床。雨は小降りになっているが、今日も明日も雨、局地的には大雨の心配もあるという予報。

今日の宿泊予定者はゼロと管理人さんが言っていた。昨日、赤石小屋にいた人達は下山したらしい。

距離の長い聖岳縦走を荒川三山縦走に変更することも考えたが、3000mの稜線で雨では何れにしろ、

どうしようもない。結局、来た道を椹島へ戻ることにする。

朝食は、青木さんはカップ麺(赤いきつね?)を頼み、堀は持参のシーフードヌードルで済ます。

昨日、我々より先に小屋のコタツで寛いでいた作業着姿の若い3人組は、国土地理院の測量士とのこと。

赤石岳ほか幾つかの山の測量をしているそうだ。そういえば前日、山頂に測量用らしき三脚が設置されていた。

剱岳 点の記」以来、何となく親しみが湧く。赤石岳には一等三角点が設置されているが、今は測量には

衛星を使っているらしい。管理人さんにシャッターを押してもらい、お礼を言って出発!

      

700目の前の赤石岳山頂に再度登り、記念写真を撮る。画面右に三脚が設置されています。

      

昨日の鞍部の分岐を右折し、椹島(さわらじま)を目指して雨の中を下山。925赤石小屋に到着。

堀はブルーマウンテン(¥500)青木さんはホットミルク(¥400)を飲んで温まる。小屋で15分ほど休憩し、

940出発。雨はいったん上がっているが、またすぐに降り出す。

赤石小屋から椹島までは、小屋の表示板では3.5時間。1310到着ということになるが、

13時の送迎バスに間に合うかどうか、微妙な時間だ。

昨日の登りで、「雨だったらこのルートは大変だったね」と青木さんと言いあっていたが、そういう状況になって

しまった。

樹林の中は、水溜りや泥濘が多く、木の根は気を付けていても滑る。いつの間にか首筋辺りから水が浸入し、

汗も一緒になって、それが下半身にまで浸透してくる。

手を振ると袖口から水がほとばしる。雨具を付けていてもこれでは堪らない。

濡れた靴下のせいか、足先と「かかと」にマメが出来たようで、急な下りで痛む。

水分補給のため数回小休止をとった以外は、ひたすら下る。しかし、ペースが落ちてきてなかなか登山口には

たどり着かない。

補給用のヘリの音が聞こえている。あと少しだ。しかし、登山口にたどり着く直前に1300になってしまった。

次は下山の最終便で1400だ。

行きに上った梯子を降り、椹島ロッヂを示す案内標識に従い更に下ると、設定タイムに10分遅れで椹島ロッヂ

1320到着。「いや〜疲れた、疲れた」

レストハウスで雨具を脱ぎ、熱々の「卵入り蕎麦」を食べる。田舎蕎麦風の黒い蕎麦で、コシがあってとても美味しい。

1345余裕で、青木さんも到着。これで無事に下山となった。

最終の送迎バスに乗り、1500畑薙第一ダムに到着。ここからマイカーで赤石温泉「白樺荘」へ。

ものの10分足らずで左手に「白樺荘」が。ここは静岡市営で、“入浴無料”が売りの温泉。

入館すると入浴券の自販機があり¥500。(え〜、なんで〜)

71日から新築移転して新「白樺荘」となり、有料になったのだそうだ。泉質は単純硫黄泉ということだが、

特有のヌルヌル感が非常に強い。浴室は新築で清潔な上に、露天風呂からは山が見え気持ちがいい。

風呂上りで一杯やりたいところだが、これから250kmの運転が待っているので、ここは我慢するしかない。

食堂で何か食べようと思ったが、15時で終わりとのこと。(やっぱり役所だねぇ)

新築できれいになっても「有料になってサービスは変わらずか」と悪態を吐いたら、「泊り客の準備があるので・・・

でも今日は少ないからいいですよ」ということで、特別営業をしてくれた。青木さんとザル蕎麦で乾杯!?

(レストハウスの蕎麦のほうが美味しかったが)

写真の中央が曇っているのは、レンズが濡れているためです。

       

1610「白樺荘」をあとにし、静岡駅を目指して出発!

またまた、ふた山ほど超えていくことになるのだが、大井川に出る少し手前に不審な車が停車している。そこに、

なかなかの滝があり、これを見るための停車だと分かる。我々も車を降りて滝を観賞する。

滝の名前は書いてないが、橋には臥龍橋と書かれているので、「臥龍滝」とでも言うのであろう。

(滝の名前は権現滝です:青木注)



         

写真ではよく分からないが、上流から数段に滝が連なり、一番下の大岩に開いた穴から水が噴出している。

水量の多い時期ということもあるのだろうが、見事だ!

ここからは大井川沿いのよく舗装された道を快調に走り、JR静岡駅に1850到着。ここから青木さんは東京経由

長野新幹線で帰宅する。到着は2330頃になるはずだ。遠路遥々お疲れ様でした。

堀は静岡インターから東名に乗り、途中ところどころで土砂降りに会い、ハンドルを取られるほどの水溜りに

2回ほど突っ込んだものの、2125我家に到着。2000m下山と250km運転は、やはりちょっと疲れた。

【後日談】

財布のお札までビショビショで、濡れ物の後始末に2日掛かりました。

それと久々の筋肉痛、足のマメ。ジョギングも23日お休みです。

 

今回の登山は、縦走路の真ん中の山だけ登ってしまったため、両サイド(聖と荒川)が残り、次に空白を埋めるのが

厄介な結果になってしまった。

まあ、無理をして行けない訳でもなかったが、登山は楽しめなくては意味が無い。

トムラウシの事故もあったことだし、先ずは無事下山したことで良しとしよう。

しかし南アルプスは本当に山深いところですね。 <完>

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