備前&山陰の旅(3)
6月7日(日)曇、時々小雨  妖怪の街から出雲大社、足立美術館への旅

旅のおわりは、出雲大社参詣と足立美術館での鑑賞。楽しみを盛り沢山詰め込んだ
今回の旅も、早や最終日となりました。
宿からそのまま出雲に向かうには、ちょっぴり妖怪たちとの別れが忍び難く、朝5時に
跳ね起きて再び妖怪ロードを散策。
早朝の妖怪ロードには人影が無く、妖怪たちが怪訝そうに私達を迎えてくれました。

ロードの西の端はJR境線終着の境港駅。
米子と境港間を走るJR境線はとっくに
妖怪たちに占領されていて、境港駅は
「鬼太郎駅」、米子駅は「ねずみ男駅」と
改名され、それ以外の駅も全部無人の
妖怪駅。
「鬼太郎列車」「ねずみ男列車」
「ねこ娘列車」「目玉おやじ列車」が
走っているそうな。
仕事中の水木しげるのそばに寄ってくる
鬼太郎とねずみ男
竹馬で遊ぶ妖怪たち
ガイドマップもすっかり妖怪たちの
遊び場。
写真を撮っている人間の姿も、よ〜く
見るといつの間にか妖怪にへんしーん。
トイレも交番も郵便ポストも全部妖怪が
占領。
駅前の交番もご覧の通り、「鬼太郎交番」。
「妖怪トイレ」
妖怪ロードを少し外れて、潮風に吹かれ
ながら境水道をゆっくり散歩。
対岸は美保関に続く島根半島。
岸壁で糸を垂れる釣り人に会いました。
海底は砂地のようで、キス釣りが楽しめる
のだそうだ。
昨晩、「味処 美佐」で出された煮付けも
ここら辺りで捕れたキスか?
イカ漁も盛んなようだ。
岸壁に係留されたイカ漁船。
美保関へ渡る境水道大橋も遠くに望めた。
大型船が航行するので、橋桁はかなり高い。
境水道大橋の下あたりに、桜の名所と
なっている公園が広がる。
江戸時代末期に黒船の来襲に備えた
お台場の跡だそうだ
(国指定史跡 境台場跡)。
公園の一角には、「境港灯台」が立つ。
明治28年に開設された山陰最初の
灯台だ。
さて、いよいよ境港に別れを告げて、
ぼたんの花と薬用人参で名高い大根島を
通り抜け、宍道湖を左手に眺めながら
一路出雲大社へと。
一般道を快適に走って、1時間ほどで
出雲大社に到着しました。
小雨に濡れた松並木の参道の玉砂利を
踏んで、ゆっくりと本殿に向かいました。
 
出雲大社は大国主命を祀る神社。
縁結びの神として夙に有名です。

参道には、神話に因んで「大国主命と
因幡の白兎」の像が建っていました。
絵馬、おみくじもご覧のとおり。
手水舎で手を清め、口もゆすいで。

「まず、左手を清め、それから右手。」
「柄杓に直接口をつけてはいかん」
「いや、そのくらいは良いのではないか」
などと作法談義百出し、折角参道で鎮めた
心がまた千々に乱れたのであります。
正しくは以下のようです。
「左手を清め、次に右手。そして左手に
受けた水を口にふくんで口を濯ぎ、左手を
再び清める。
最後に柄杓を立てて柄に水を流す。」

鳥居の前で記念写真を一枚。
「平成の大遷宮」に関する告知板に見入る。
 
六十年ぶりの御本殿造営のため大国主命
は拝殿に遷宮され、現在はそこが仮本殿と
なっている。
御本殿の姿が見られず残念ではあるが止むを
得ない。
大社での参拝は、かるく一拝の後
「二礼四拍手一礼」が手順とのこと。
一般の神社での参拝とは少し作法が
違うようです。
まずは、神様が見ていないところで
練習をしてから・・・。
 
みんな思いおもいの願いを込めて、
仮本殿で参拝をしてまいりました。
国宝の御本殿は、ご覧の通り造営のための
幕が張られて、その雄姿は想像するしか
ありませんでした。
お札やお守りの引渡所で、なにやら深刻な
話をしている3人。

菅谷:「わたくし、夫がいる身ながら、また
良縁のお願いをしちゃったの。」

堀 :「いや、実は俺もなんだよ。」
鵜飼:「お前たち、いい年して何考えてんだ、
んー?」
「平成の大遷宮」奉賛受付所には、善男善女の
姿も見られました。
松並木の参道を引き返して、大社に隣接
する「古代出雲歴史博物館」を訪ねました。
出雲出土の夥しい数の銅剣や銅鐸を見る
ことが出来ました。
これは、博物館中央ロビーに展示された宇豆柱
(うづばしら)。
平成12年に出雲大社境内から出土した、
3本が一組となった柱の遺構だ。
この宇豆柱の出土によって、かつて巨大神殿が
存在したことが想像されるそうである。
宇豆柱から推定した、平安時代の出雲大社
本殿の再現模型。
さて、出雲といえば、やはり出雲そば。
鳥居に程近い、そば処“田中屋”で昼食を
とりました。
これは、割り子蕎麦。 
蕎麦のかおりと咽越しを楽しむには
これが一番。
こちらは、釜揚げそば。
出雲地方特有の蕎麦だとか。

丼の中にゆでたての蕎麦と濃厚で風味
豊かな蕎麦湯が入り、好みに合わせて
直接だしをかける。
最後の一滴まで飲み干したくなる味・・・
とは、店の宣伝文句
小野寺さんは、釜揚げそば。

「わたし、本当にしあわせです。」
お澄まして食べている、鵜飼さん、川島さん、
菅谷さん。
ここで、本当の蕎麦の食べ方をお教え
しましょう。

蕎麦というものは、
まず吉松のように、ほど良く麺つまみ上げて、
今井さんみたいに、ずるずるずるっと一気に
いって、最後に堀さんがお示しするように、
舌なめずりをする。
これが、本式です ???。

出雲を後にして、山陰道を通って最後の訪問先、足立美術館へ。

【ここで閑話休題。文ちゃんの運転について。】

最初丁寧だった運転が、一般道での右折車に気付いて急ブレーキ、有料道のETC入口の減速遅れによる
急ブレーキであわやのバー激突寸前・・・、カーナビが指示する東出雲ICを無視して安来ICまで一直線。
その安来ICでも、減速遅れによる危機一髪。
うとうとしている場合では無く、みんなが運転に口出しする羽目にあいなりました。
美術館駐車場で今井さんが吉松にこっそりと一言。
「運転代わるように君から言って。俺からはいえないから。」
なにはともあれ、無事に着きました。
足立美術館で記念写真。
足立美術館の見所のひとつは庭園
周囲の山を借景にした枯山水庭が見事。

館内では、横山大観、北大路魯山人の
作品も堪能しました。
足立美術館を最後に、米子空港に向かい
ました。

今井さんとは空港でお別れ。ご夫妻には、
備前焼の手ほどきに始まって、宿や食事の
手配など、大変お世話になりました。
お二人はレンタカーで備前へ。
我々は全日空820便(19時55分発)で
東京へ。

空港ロビーで全員そろって記念写真を一枚。
飛行機出発までにはまだ2時間の余裕。
ロビー食堂にはこんなセットメニューが
ありまして・・・。
「それでは軽く」などと言いながら、つい
ふらふらと食堂へ。
  
  まずは、乾杯!
  
写真奥の3人と鵜飼さんは、軽い食事。

手前の4人は、軽いお酒・・・のはずが、
なかなか地酒がよろしくて、次から次へ
と注文を重ね、すっかりいい気分に
なりました。
奥の4人は、いくら説得しても割前勘定を
認めてくれませんでした。

 

こうして、二泊三日の「備前&山陰の旅」は終わりました。梅雨の雨にも祟られず、無事で楽しい旅行となりました。
手作りの備前焼は、今井さんの登り窯で焼かれて手元に届くでしょう。その日が待ち遠しいです。


【最後に閑話休題】

・ 空港で、和子さん大慌て

シニア割引で航空チケットを予約していた和子さん。
カウンターで年齢の分かる身分証明書を求められて大慌て。いつもは身につけているはずの保険証が無い。
考えてみれば、出発前に財布を代えたのが失敗の元。しかしそこは和子さん。少しもあわてず、
「この顔を見れば年くらい分かるでしょう」とカウンターに行くが、顔見たって年は分からない。
カウンター嬢からは、冷たくキャンセル料と新たなチケット購入料金を示されて、それが高いの何の、
いよいよ大騒動に。
「そうだ、息子に保険証のファックスを打たせよう」というところまで事態が進んだところで、カウンター嬢も
手を焼いて上司に相談。ややあって、「今回だけは無罪放免」ということになって、一件落着。
いやはや、冷や汗をかきました。

・ 文ちゃん 飲みすぎ

ロビー食堂で誰が次から次へと冷酒を注文したのか知らないが、美味かったからしょうがない。
飛び立ってしばらくしたら、文ちゃんが前座席の背もたれに頭を寄せてじっと我慢の態。
あとで聞けば、気分が悪く、冷や汗が止まらなくなったとか。
その上鼻水まで垂れてきて、風邪かなと疑ってみたそうだが、自宅で休んだらすっかり直ったそうだ。
早い話が、飲みすぎだ。
皆さん、うまい酒と飲みすぎには気をつけましょう。

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