08年11月1日・2日 雲取山
二日目

3時半にトイレに外にでる。上空は満点の星空で今日も好天であろう。
鴨沢までは5時間程度であり我々3人はユックリの起床でも良かったが
4時には部屋の電球が点き、我々も起きた。

食事は4時半からであったが4時10分
ころから並び始めたため4:15には食事が
始まった。
我々も朝食一巡目に潜り込み4時半には
食事を終了した。
山頂まで標高100m弱しかなく30分で
着ける。
外は0度まで下がり、余り早く出発しても
待ち時間が長く、寒くて堪らない。
5時30分に出発することにし荷物の整理等
で時間を潰す。
雲取山荘の前で写真を取り山頂に向かう
(5:40)。
既に東の空は赤く染まり日の出が真近で
ある。
30分のところ25分で雲取山山頂(2017m)
に立つ。
既に日の出を待つ人人の群れで溢れている。
山頂は風が強く寒い。
我々がカメラを構えた時、太陽の先端が
雲の上に出始めた、しかし直ぐその上に
厚い雲があり、直ぐに隠れてしまい真丸い
日の出を見ることが出来なかった。
西の方に目を転じると、富士山が抜きん
出て高く大きく、静かに朝霧の中に浮び
上がっていた。
この景色はモノトーンで墨絵を見るが如き
幽玄の味わいがあり、何時まで見ていても
飽きることがない。

マユミの木が赤い実をつけ、彩を添えている。
冷たい強風の中、登頂証拠写真を撮る。

更に南アルプスの北岳、仙丈ケ岳、甲斐駒ケ岳、国師ケ岳、枯れ枝の間から浅間山、
その下に両神山がみえる。
強風の寒さも、この光景の前では全く気にならず30分ほど山頂に佇み目に焼け付けた。
これらの景色を見ただけでも苦労して登ってきた甲斐があり、十分に元がとれた気分になる。
参考リンク CG360度パノラマ(山旅倶楽部)

10分程下ったところに避難小屋と岩の
ピークがあり
ここからの展望も良い。
分岐となっており西(右手)に向かうと
三条ダルミから三条の湯、あるいは
飛龍山(大洞山:2069m)へ向かうルート
であり、我々は東(左手)の小雲取山、
七つ石山、鴨沢へ下るコースを取る。
最初5分ほどがガレ場の急下りであるが
後はナダラカナ尾根歩きとなる。
進行右手には富士山、南アルプスの展望
が終始あり実に楽しい下りである。
下り始めて約40分で雲取奥多摩小屋が
あり直ぐ近くの五十人平に山岳救助用の
ヘリポートがある。
一息入れて更に緩やかな尾根を下る。

大菩薩嶺から連なる小金沢連嶺の山並みが直ぐ近くに大きく横たわり、
左手には三つ峠等の富士五湖周辺の山塊、更に箱根駒ケ岳、愛鷹山、伊豆の山並みが見渡せる。
空気が澄んで遠望が利く時は、目に入る山座同定するのも楽しみの一つである。

20分でブナ坂に着く(7:30:1655m)。
ここまでで標高370mしか下っていない。
本日は約1500mの標高を下る必要があり、
まだ1/4しか下っていない。
ここから七つ石山(1757m)の直登(15分)
があるが、我々は迷うことなく、右手の巻き
道を選ぶ。巻き道は一向に下る様子がなく
標高を1700近辺のフラットな細い登山道が
延々と続く。
七つ石山からの分岐で合流する辺りから
徐々に下り始めるが登山道は落ち葉が
堆積した道で石ころなどもなく非常に歩き
易い道である。
標高1500mくらいまで下ると、遠望が
利かなくなった代わりに、紅葉が見え
始め眼を楽しませてくれる。
この辺りで最初の登りのパーティーに
出会う。
た〜っぷり楽しんだ富士山ともそろそろ
お別れ。
やがて、杉と檜の樹林帯に入り太陽の
光を遮り薄暗い登山道となる。
相変わらず緩やかな下りが続き徐々に
しか高度を下げない。
距離で稼ぐしかないのであろう。樹林帯に
入ると登りのGPが次々と現れ細い登山道
を登り優先で道を開けてあげる。
結局、鴨沢の登り口までこのルートからの
入山者は百数十名を越えたかもしれない。
恐らく今日の雲取山荘は8畳の20名くらい
詰め込まれるに違いない。
歩き易い緩やかな下りをスピードアップ
して鴨沢のバス停に着いたのは10:30
だった。
5:40に雲取山荘を出発して約5時間で
下りきった。
丹波から来るバスは10:45であり後、15分
程で丁度良い時間におりた。
バス待ちの人も少なく、今日は臨時便が
増発しているのであろう。
丹波の「のめこい湯」に行くことも考えたが、
残念ながら下りのバスは3時間ほどない。
諦め定刻にバスに乗り奥多摩駅に向かう
ことにする。
奥多摩駅から10分程の渓流沿いに日帰り
温泉「もえぎの湯」があり二度ほど利用した
ことがあるが、混んでいて大広間もないこと
から余り好ましくない。御前山の帰りに利用
した旅館「三河屋」に行くことにする。
11:30に入り、まだ早すぎて断られるかと
思ったが、快く受け入れてくれた。
勿論、温泉は3人で一番風呂も貸切り
状態であった。
二日間でタップリかいた汗を流し、温泉に
足を思いっきり伸ばして浸かり、疲れを癒す。
新しいシャツに着替えサッパリして、
食事付き温泉コース(¥3200-)に
切り替え豪勢な昼食となった。
生ビールが二日間に耐えた喉に染み渡り
旨い。
冷酒地酒に切り替えて、岩魚の味噌焼き、
山菜天ぷらなど10種類程度の料理を肴に
平らげ、最後は茶蕎麦で締めた。

13:26発の電車で帰路に着きました。

二日間で埼玉秩父の三峰神社から東京奥多摩湖まで2017mの雲取山山頂を越えて約23Kmの縦走で、
初日25400歩、二日目26500歩でした。
標高1300m付近の鮮やかな紅葉、山頂から見た早朝の富士山、南アルプスの墨絵をみるが如くの景観と
満足の雲取山でした。

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