08.10.25 北奥千丈岳・国師ケ岳
(当初予定の金峰山から変更)

前日まで低気圧前線通過で終日強い雨が降り危ぶまれていたが、25日は天候回復の予報で決行した。
当初の計画は奥秩父の大弛峠から金峰山(日本百名山:2599m)の往復日帰りであった。
各々特急あずさで、塩山駅に9:00集合に駆けつけた。途中、大月では小雨が降り、厚い雲や濃いガスで
覆われ遠望が悪かった。

今回は初デビューの碇谷さんが、全く登山は初めてとのことで、当日朝に、コースを変更することにした。
金峰山に登るのではなく、北奥千丈岳(2602m金峰山より2m高い)・国師ケ岳(2592m)に登り真近に
金峰山を見ることにし、全員合意する。

(マップは地図ソフトカシミールより)

大弛峠まではバス便がなく、自家用車かタクシー利用であるが、我々はレンタカーを借りていく(9:00)。
塩山から丘全体が巨峰ぶどう畑となっている牧丘を抜けて小楢山(1712m)を左に見ながら柳平までは
二車線で快調に走る。柳平からは一車線となり、峰越林道川上・牧丘ロードで、98年に来た時のこの道路は
舗装されていなく車輪で抉り取られたデコボコ道で時速10kmでしか走れなく、タクシーも嫌がる悪路であった。
しかし数年前に完全舗装となり快適に走れる。

標高1000mを越えると周りの山々が紅葉・黄葉で一面に色づいて広がり、処どころ真っ赤なカエデも出始める。

しばしば車を止め、写真撮りに忙しい。

更に高度を上げ、大弛峠まで後12Kmの
標識を越え右に迂回すると金峰山のシンボル
五丈岩が目に飛び込んできた。
再び写真撮りに車をとめる。
後方南側の展望も開け、雲海の上に南アルプス
の峰が顔を出し、良く見ると昨年登った鳳凰山 
地蔵岳の象徴 オベリスクの三角頂点がハッキリ
見ることが出来た。
紅葉も鮮やかさをまし何回か写真を撮りながら、
進む。
落葉松の森が一斉に黄葉している様は
実に圧巻である。
 10:40に大弛峠に着く。
大弛峠は標高2360mの高さがあり、山梨と長野の県境である。駐車場は満杯で既に山梨側も長野側も
路上駐車で200m以上の列をなし雄さんもそれに従い最後列に止める。
その間、他の三名はストレッチ等で登山準備を整える。

10月末で、2360の標高は流石に空気が冷たい。
初めての碇谷さんは、登山靴、ザック、登山用
下着、上下ウエアー、雨具、ストック、靴下、手袋、
何とヘッドランプまで先週、新宿の登山用品店
コージツ屋で一式揃え、全てマッサラ新品で
デビューである(11:00)。
但し、昨日は殆ど睡眠がとれず体調は万全
ではなく余り自身がなさそうである。

恒例により登山口でスタートの写真を撮る。
多くの登山客が集まってくるが殆どの登山客が
目指すのは金峰山である。
我々は金峰と反対側の登山口からコメツガや
シラビソの樹林帯に入り登り始める。
5分と立たずに目の前に大弛小屋が現れたが、
そのまま横目に見ながら先に進むみ暫く
登ると整備された木の階段が延々と続く。
10分ほどで、分岐に出る。夢の庭園コース
のルートを取る。
茂ったハクサンシャクナゲと露岩で展望が
開け、金峰山・朝日岳の尾根を正面に見据え、
左手に南アルプス、右手に瑞牆に似た奇岩峰群
や長野側の山塊が幾重にも雲海の上に浮き
あがり、墨絵のような景観は素晴らしい。
歩き初めて20分少々でこの景勝を見ることが
出来、正に「夢の庭園」と名付けたことが理解
できる。
最初の休憩を、この景観を楽しみながら
大きな露岩の重なったところでとる。
まだ碇谷さんは笑顔で余裕がある。
(長野県側の奇岩群) 
登山道は分岐で分かれた木道と再び合流し、
上りで暑くなってきたのでジャンバーを脱ぐ。
 ナナカマドもよく目につくが、すでに葉は
枯れ落ちて赤い実だけが残っている。
木道の周りはシャクナゲの群生が続いて
いる。 花の季節はみごとに違いない。
直ぐに岩混じりの急な登りとなり、尾根筋に
出ると富士山が目に飛び込んできた。 
   さらに一汗かけば、最初のピーク、前国師岳
に立つ(12:00)。
展望は西方向に開け、富士山の八合目以上が
雲海の上に突き出ている。
直ぐ近くの右側に北奥仙丈岳、左手の
国師ケ岳がありその山頂の標識と登山客の
姿が見える。
碇谷さんは2500mの山頂に立つのは始めて
の経験であり、この展望に感激し写真を撮り
まくっている。
   小休止して、先ず北奥千丈岳に向かう。
前国師岳から一旦数分下り、三繋平に出る。
三繋平は名前の通り、前国師、北奥千丈、
国師のルートを繋ぐ分岐点から名付けられた
のだろう。
 10分ほどの登りで北奥千丈岳の山頂(2601m)に着く(12:15)。
北奥千丈岳は金峰(2599m)、朝日岳(2579m)、瑞牆(2230m)、国師(2592m)、甲武信(2475m)等を従え、
奥秩父山塊の最高峰であり360度の展望も見事である。 
山頂に着いた時は、金峰や南アルプス、
甲武信岳等は雲の流に飲み込まれて
姿を隠していた。
この間に、岩陰の風除けに陣取り昼食
にする。
早速、雄さんが湯を沸かし恒例の新人歓迎
ラーメン作りに入る。
オニギリ、パン、ラーメンと自分の好みの
弁当を広げ、 
 ユックリと休憩を取る。
本日、最高点で記念写真を撮るうちに、
雲の流が変わり、浅間山が北方向の雲の
上に出、南アルプスの北岳、仙丈ケ岳、
甲斐駒ケ岳が姿を現し、金峰山の五丈岩が
顔を見せ始めた、また今まで確認できなかった
甲武信岳が国師ケ岳の右端に姿を見せ始めた。 

(南アルプス望遠)
これらを写真に収め、北奥千丈岳を後にし、
一旦、三繋平まで下り、今度は国師ケ岳に
向かう。
10分程で2592mの山頂に立つ。
着いた途端に雲が切れ、正面に、富士山が
再び姿を雲海の上に現した。
富士山を中心に写真を撮るがもしかすると
ハッキリと写らないかもしれない。
ここは北からの風除けとなって暖かい。
碇谷さんも何とか頑張り、三つのピークを
踏破し満足で下山に入る。
三繋平から前国師岳と登りのコースを
折り返し、限りなく続く木段の登山道を下り、
大弛小屋を過ぎ、
45分で大弛峠の駐車場に戻った(13:40)。 
カーナビを鼓川温泉にセットし、峰越林道
川上・牧丘線を牧丘に向かって戻る。
同じコースでも、往路が側から見る景色と
復路から見る風景が異なり、途中、全山
黄葉した落葉松で覆われた景色がまた
新しく感じられ、何回か車を止めては写真
に収める。
紅葉も光の加減で違った趣を見せており
紅葉ドライブも楽しい。
途中、牧丘小学校分校のカエデが鮮やかで
再び車を止める。
カエデの落ち葉が芝生に落ち、赤、黄、緑の
グラディエーションが素晴らしく切絵を張った
ようで美しい。
 
 カーナビに従って鳥居ダム手前でクリスタル
ライン道路を進んだところ封鎖されて通行禁止
になっていた。
その近くのカエデが鮮やかで再び車を下り
写真に収める。
  通行禁止に仕方なく戻り、遠回りであるが
元に戻り牧丘へ向かって走りだす。
山道に急カーブの連続と寝不足で碇谷さんが
車酔してしまったが、少し休み元気が戻った。
牧丘の丘を登り始めると一面、巨峰畑となって
おり、所々リンゴやキューイフルーツ、柿畑が
あり、東山フルーツラインとあった。 
ぶどう棚も一斉に黄葉している。
丘を登り詰めたところが鼓川温泉であった
(16:00)。
市営で市外者は\500-/3時間。
100%源泉掛け流しの無色透明アルカリ単純
温泉で源泉温度は37.5度と低く加熱している。
露天風呂、内湯とも大きく、小さいがサウナも
設備されていた。
勿論、地元の人が殆どで、70畳の大広間は
空いており、ユックリできる。
碇谷さんは眠気の我慢限界を超えたと、温泉に
入る前に大広間にゴロリと横になる。
男性3名は早速、温泉に浸かる。
露天風呂は温度も低く、何時間浸かっていても
ノボセルことはなさそうだ。
 湯はツルツルでいかにも肌に良さそうである。地元の人はポリタンクを持ち込み露天風呂に流れ込む源泉から
満タンにして自宅に道帰る。30分ほどで男性人は上がり戻ると、碇谷さんは眠れはしなかったが、横になって
いただけで元気が回復したと、入れ替わりに温泉に入りに行く。
レンタカーを運転し駅まで戻るため男性3人も、今回はアルコール抜きで牛乳にて乾杯する。
17:30に温泉を出る。既に外は真っ暗になっていた。
20分程で駅に戻り、レンタカーを返し、駅で電車を調べる、次の特急は19:11までない。普通で乗り継いで帰っても、
その特急で帰るのと時間は変わらない。特急で4人固まって指定を取り、約1時間強の待ち時間を、塩山駅前の
食堂で一杯やりながら時間潰しをすることにした。 
馬刺しとほうとう鍋の垂れ幕が入口にあり、
迷わずに入る。 
温泉では入浴後のアルコールを抜いていた
ため、先ずは生ジョッキだ。
勿論、馬刺しは決まり、枝豆、山芋の短冊、
冷奴などを頼み、生のあとは生酒で繋ぎ、
最後は全員、ホウトウ鍋で締める。 
 カボチャを中心に12種類の野菜を入れた
具沢山で熱々の鍋をフーフーしながら食し、
野菜から出たスープの味が絶品で旨かった。
19:11の特急かいじに乗り、帰路に着いた。 

今回は、紅葉、黄葉も良かったし、初めての北奥千丈岳・国師ケ岳は短時間で楽に登れ、
特に、夢の庭園や三つの山頂から見る景観も素晴らしく大満足したハイキングであった。
来年、ハクサンシャクナゲが満開の頃に是非、来て見たいものである。

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