「仙丈ヶ岳」                             吉松()

 

 堀さんと吉松とで南アルプス 仙丈ヶ岳(3033m)にチャレンジしました。

 

(登山の話になるまでのアプローチが少々長いですが、悪しからず。)

 

当初は106日(月)の計画でしたが、週間天気予報では雨模様とのことでしたので、結局8日(水)を登山日に決めました。生憎、関東では7日(火)夜から強い雨でしたが、「南アルプスは曇り」との天気予報を信じて当日朝を迎えました。

 

 スケジュールは次の通りです。

堀さんの車で山梨県の「市営芦安駐車場」に6時前に入り(所要時間:2時間30分)、そこに車を置いて6時発バスで「広河原」へ移動(所要時間:1時間)。「広河原」から更にバスを乗り継いで登山口である「北沢峠」に行き(所要時間:25分)、そこから仙丈ヶ岳を目指すというものです。

 

真夜中の2時起床。まだ真っ暗。昨夜来の雨が続いていて一瞬たじろぎましたが、堀さんから「ひどい雨だけど南アルプスは大丈夫」との力強い電話が入り、am3:20新百合ヶ丘駅でピックアップしてもらい目的地に向けて出発しました。

調布インターから中央高速に乗ったが、ところどころ水溜まりがあり、ズアと言う感じで時折り突っ込む。制限速度50kmでは高速の価値が無い。第一、そんな運転では芦安駐車場発のバスに間に合わない。雨の中、芦安駐車場に5:30到着。

ジャンボタクシーの呼び込みがあり、一人¥1,200で行くとのこと。100円しか違わないので、バスの予定を変更し広河原へ乗り合いで向かう。

6時を過ぎれば曇りになるとのウェブサイトの天気予報も外れて、7時になっても「広河原バス停」では土砂降り。午前で唯一運行される710分発「北沢峠」行きバスに、乗るか乗るまいかのハムレット的な悩みの末に登山中止を決定し、早速乗り合いタクシーと交渉し、正規の半額で芦原駐車場に戻ることにしました。せめて「広河原」までは来たという証拠写真だけは撮ろうということで、撮った一枚がこれ。

 

 

ところが、バス出発5分前になって激しかった雨がすっと小降りになったのです。一度は中止の決心をしたにもかかわらず、心に迷いが出たのです。山の人に聞くのが一番と、切符売りのおじさんに天気の塩梅を聞けば、「今日はお日様も出るとの予報だよ。ここまで来て戻っちゃ勿体無い」・・・てな具合にグイッと尻を押され、間一髪でバスに飛び乗りました。

あーら、不思議。北沢峠(標高2030m)につく頃には雨はやみ、雲も流れて青空も覗き始めました。俄然元気が出て、いざ出発750分。雨の心配は無くなり、ほとんど無風。

 

 

30分ほどで二合目に到着。太陽が昇り、木漏れ日に木々が映えた。

二合目からは急登。息が荒くなってくる。山の一部は紅葉が始まり、樹木が雨に洗われた後は殊の外鮮やかに輝いている。

9時、四合目で一服。雲の合間から一瞬、甲斐駒ケ岳や北岳が覗いた。

9時半。大滝の頭(五合目)で小仙丈ヶ岳と馬の背に分岐。

我々は左手の登山道に入って小仙丈ヶ岳を目指す。

 

大滝の頭を過ぎた辺りが森林限界となり、ハイマツが現れる。谷の向こうには、下りに通る馬の瀬ヒュッテが小さく見えてきた。また、はるか北の彼方には鋸岳が見えた。

 

目の前には、小仙丈ヶ岳までの急登が待っている。岩場をよじ登りながら目的地を目指す。

ハイマツに混じって生える、七竃の紅葉が目を楽しませてくれた。

1030分、小仙丈ヶ岳(2855m)。

真っ赤な草紅葉が美しい。

高山の鳥である、ホシガラス、イワヒバリが目の前を飛んでいった。ここら辺りでは早くも雪がちらついたらしく、岩やハイマツの陰に小さな残雪が見られた。ガスが切れ仙丈ケ岳が見えてくる。

ハイマツとナナカマドのコントラストが美しい。

小仙丈ケ岳からの岩場を下り、

1150分、仙丈ヶ岳到着(3033m)。平日の所為か、ここに来るまでに行き交った登山者はたったの1人。山頂はしばらく我々2人だけで占有した。

早速、堀さん持参のビールと吉松持参の焼酎で乾杯。周囲の山々が見渡せなかったのが残念であったが、ことのほかおいしい昼食でした。

昼食が終わる頃、やっと後続の登山者が来たのでシャッターを押してもらう。

 

1240分、藪沢へ向けて下山開始。見事な黄葉や紅葉に目を奪われた。

 

山頂から谷底に向かって流れ落ちる滝状の沢が、幾筋も見られた。

 

16時、北沢峠に無事下山。山小屋「長衛荘」で一杯400円也の熱々コーヒーを飲んで一服。北沢峠から、再びバスを乗り継ぎながら芦安駐車場へ18時過ぎに到着。芦安温泉街では既に日帰り入浴は終了。クマさん会定番の入浴はあきらめ、帰路へついた。

  早起きで眠い堀は、高速は吉松さんに運転を替わってもらう。

ウィークデーで渋滞も無く、順調に新百合ヶ丘経由で2110分帰宅。

強い雨足のために、山を目前にしてあきらめようとした登山でしたが、小降りになったその一瞬に天気予報を信じたのが幸運を呼びました。山では雨も降らず、時には太陽や青空が覗く大満足の仙丈ヶ岳登山でした。

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