7月19日(金)晴れ 農取岳
(吉松 記)

  4時前に起床。外気温の低さと布団の湿りとで
結構寒い一晩を過ごしました。
幸い本日は高気圧が張り出してきて快晴だ。
どうやら梅雨明け宣言が出たらしい。
小屋を飛び出すと、朝焼けに浮かぶ富士山が
美しい姿を見せていました。
 
4時半に、味噌汁と卵、おしんこだけの朝食を
腹にかき込み、出発の身支度をしました。
5時過ぎ、農鳥小屋の看板を背に写真を撮って
からいざ出発。
小屋からは西農鳥岳方面がくっきりと見えて、
最高の登山日和だ。
瞬く間に高度が上がり、振り返れば農鳥小屋が
小さく眼下に見える。
遠くには間ノ岳、北岳も望めた。
 
   西農鳥岳(3050m)で暫し休憩。
岩山に登り感動の写真を一枚。
   西農鳥から農鳥岳へ尾根歩きが続く。
青木さん、吉松が、尾根から100mくらい下の
這松あたりに動く真っ黒な動物を発見。
どうやら南アルプスに棲息するクマらしい。
(このクマの剥製が今日の宿泊蓬莱館に
展示してあった。
我々が見たのは、間違いなくこいつだ)
   農鳥岳(3026m)には7時過ぎに到着。

ここは今回最後の3000m峰で、西から時計回りに
中央アルプス、御嶽山、乗鞍岳・奥穂高・槍など
北アルプス、仙丈ヶ岳、甲斐駒ケ岳、間ノ岳、北岳、
鳳凰三山、奥秩父の山々そして富士山など
パノラマ状に見渡すことができる。
登山の醍醐味はこれに尽きる。

  大門沢下降地点に慰霊の鐘があった。
1月4日にビバークした後下降地点を見出せず、
ついに力尽きて帰らぬ人となった若者の両親により
作られたものだ。
鐘を二度鳴らす。
我々はここから2000m下山しなければならない。
8:20下山を開始。

這松帯や針葉樹林帯の中をひたすら下ること約3時間。
大門沢小屋についてほっと一息。軽い昼食をとる。
吉松は冷やしうどん(1,000円)、青木、堀は予備食を
始末する。
大門小屋からさらに下ること3時間でやっと
農鳥岳登山口辺りに下りてきた。 
   本日の宿泊 西山温泉 蓬莱館のオヤジさんが
車で迎えに来てくれた。
沢の見える最も良い場所に部屋を準備してあり、温泉
(なんと、ここの温泉は混浴)に入り汗をしっかり流して、
山菜づくしの夕食に舌鼓を打った
(ビール4本、熱燗6本、冷酒1本。大満足)。


7月20日(土)  (堀  記)

連日の4時起きで、早朝に目が覚めてしまい、8時の朝食時間がなかなか来ない。
風呂に入り、布団を上げ、お茶を飲み時間をつぶす。
ようやく朝食を済ませ、9:30の身延駅行きバスを待つ。

   玄関前で最後の記念撮影。

  女将の見送りをうけて、定刻、バスに乗り1.5時間
で身延駅に到着。
身延は前日、37℃を超える猛暑で、全国で一番
暑かったのだそうだ。
数分後に甲府行きの列車があり、乗ろうとしたが
特急なのでもったいないから次の列車を待つこと
にする。 

結局、吉松さんは東海道線「富士」へ出て、小田原経由で小田急線で帰宅することになり、青木、堀はあまりに
暑いので駅前でかき氷を食べながら、当初の予定通り、12:12発の甲府行き鈍行を待つ。
甲府駅ビルで昼食、生ビールで乾杯し解散とした。

今回は、稜線歩きの初日が雨模様ではあったが、トラブルも無く、お花畑は堪能できたし、人は少なく満足のいく山行であった。


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