08.02.16 黒斑山(2404m)
雪山は入笠山、北横岳、愛鷹山、三つ峠等に良く行くが、今回は浅間山 外輪山の最高峰
(2404m)の黒斑山 雪山登山へ初挑戦である。黒斑山は浅間山が火山活動で登山禁止時
に百名山として代替となっている。過去、無雪期に3回ほど登っている。
2月16日(土)当日朝、4時に高橋雄さんから携帯にメールが入り、風邪でダウンしたとの
情報が入った。従って今回、長野新幹線あさま503号(東京発6:52)に乗ったのは、
熊本と大宮から能勢さんの2名のみの参加となった。
大宮7:20頃は既に陽が昇り、快晴の青空
に富士山が良く見える。
熊谷付近までは進行方向左手に奥多摩
から秩父の山並みが暫く続き、秩父山塊
の外れに百名山の両神山が大きくなり、
高崎近くなると今度は進行方向正面に
浅間山がそして右手方向には赤城山が
見えてくる。
高崎から信越方向に車線を変えると今度
は上州の荒々しい形をした山が現れる。
山の形が戦艦を彷彿させることから名付け
られた荒船山
そして妙義山と浅間山が次第に大きさを
増してきた。
安中榛名から碓氷峠のトンネルを抜け出る
と軽井沢で次の佐久平(8:20)に下車した
(マイナス3度)。
佐久平駅から浅間山と黒斑山が良く見える。
8:40のバスに乗り、小諸経由で約60分、
白樺やダケカンバの林の中を登り車坂峠
(高峰高原ホテル前、標高1973m)で
下車する(9:40)。
風が吹き抜け、雪煙が舞い上がるなかで、
体感温度はマイナス20度くらいか?
凍える手でアイゼンを装着し、三脚を立て
スタート写真を撮る(9:55)。
既にスノーシューの二人組と軽アイゼンの
3人組が先行して登っている。
登山道は表コースと中コースあるが、
表コースを選択する(どうやら冬はこのコース
が安全らしくトレースがついている)
雪は深く、登山道のトレースは明確だが、
踏跡を外すと膝上まで潜る。
緩やかな唐松の樹林帯を暫く登ると開けた
見晴らしの良い登りとなり、風が強く雪は
硬く締まっている。
後ろを振り向けば直ぐ近くに篭の登山、
湯の丸山があり、その下には佐久、小諸、
上田の市街が見渡せる。
約20分で車坂山(2050m)に着くが標識はない、
正面にはこれから登る槍ケ鞘のピークがり、
この後ろ側に浅間山は位置しここからは
見えない。
一旦標高50mほど下り鞍部にでる。
槍ケ鞘への登りはコメツガやシラビソの
樹林帯にはいったり、開けたところに出たり
の繰り返しで高度を上げて行くが、結構な
急登でシンドく、体は汗をかいているが耳や
指先は痺れて痛い。
ヤット尾根に達すると始めて浅間山の山頂
が現れた。
その左手前に更にこれから登る黒斑山頂へ
の急斜面が見えた。
ここから尾根伝いに10分程登ると
槍ケ鞘のピーク(2280m)に出るその下は
断崖絶壁であるが正面に浅間山(2568m)
が全貌を現す。
山頂からは噴煙をあげている。
ここから10m程を急に下って、イヨイヨ最後の
急登攀でこの30分が厳しい一歩一歩足を
上げ、20歩登って息継ぎの繰り返しが続き
トーミの頭に出る。ここで約半分の登りで、
やがて馬の背の瘠せ尾根となり噴火の監視
カメラが現れれば山頂は近い。
山頂標識が雪の上にヤットの出ている程の
積雪である。
ここは雪を硬く踏みしめており新雪状態では
標識は埋まっていただろう。
01年の11月紅葉を見に高橋文さん、堀さん、
野中さん、と今は亡き山内さんの5人で同じ
場所で撮った写真があり、比較でよく分かる
が、標識は顔の高さである。
踏固めてなければ積雪は170センチ前後で
あろう。
山頂は狭く昼食を取るスペースがなく、トーミの頭まで戻る。風はあるが他に適当なところが無く
ここで昼食とする。指先は凍ったように冷たく、この状態が続くと凍傷かと思わせた。恒例の梅酒で
乾杯し、能勢さんは湯沸かしの準備、風でなかなか火が着かない。ペットボトルの水がカチカチ
に凍ってしまい湯が沸かせない。熊本のザックの中に入れておいた水が何とか凍らずにありこれで
湯を沸かす準備が出来たが今度は風で火が消えてしまう。仕方なく、熊本はパンをかじり、能勢さん
はオニギリ1個で終わりにし下山することにした。二人のペットボトルの水は凍ってしまい水分補給が
出来ない。雪山での昼食(予備)、飲み水の保管は要注意である。トーミの頭からの下山は急下りである。
雪山で楽な下りの筈だが、能勢さんは膝上の両足の筋肉が吊って歩けないと言う。急な下りに踏ん張り
が利かないのだ。どうやら寒さで筋肉が硬直してしまったらしい。暫く筋肉をマッサージしユックリと降り
始めることが出来た。
登りにつかった表コースを折り返し、13:45
に車坂峠に戻った。正面に篭の登山が見え、
その麓に高峰温泉がある。
14時までに受付しないと日帰入浴させて
くれない。ここから早足で15分くらい掛かる
ので焦る。3回この温泉にお世話になって
おり、乳白色の硫黄泉で良い温泉だ。
車道に沿って5分ほど歩いたがどうも周囲の
風景が違う。元に戻ったが、どうも別の車道
はなく、電柱の標識にも高峰温泉の矢印が
あり、再び戻る。
しかし、どうも様子がおかしい、昔通った景色
と違う。
10分程でアサマ2000パークスキー場に出た。
近くのホテルで高峰温泉を確認したところ
高峰温泉へは宿泊客はキャタピラのついた
雪上車で、送迎があるとのことで、時間も
とっくに14時を過ぎてしまった。
このホテルは温泉がなく入浴は出来なく
今回は温泉を断念し喫茶コーナーで休憩
することにした。
15:50のバスで佐久平へ戻る途中、車坂峠を少し下ったところから富士山の頭が見えた。
方向からすると秩父山塊の後方である。18:55に佐久平駅につき、16:12発の新幹線で帰路に着いた。
今回は寒さで飲水が凍ったり、筋肉が硬直したり、温泉に入れなかったりとハプニングの連続であったが、
いろいろ雪山登山の勉強をさせてもらった。
浅間山を真近に見られたことで良しとしよう。

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予定より10分遅れで黒斑山山頂に到達した
(12:00 2404m)。
黒斑山頂から浅間山頂まで直線距離で
3kmの近さである。

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