07年4月14日(土) 秩父御岳山(1081m)

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前々日までに天気予報では、雨で中止を覚悟していたほどであったが、
今日の天気は一転して日本晴れの好天気となった。 
秩父御岳山に参加したのは高橋雄さん、久し振りの鵜飼さんと熊本の3名であった。
西武池袋駅7:30発の特急ちちぶ5号は
乗車率30%程度のガラガラで、羊山公園
の芝桜見学の観光客で満員と思っていた
ので、拍子抜けであった。
鵜飼さんと熊本が池袋から、高橋雄さんは
所沢から乗り込み西部秩父駅に8:56着。
ここからJR秩父線の御花畑駅までは徒歩
数分で、駅構内はハイカーでごった返して
いた。
9:16の熊谷方面でその2/3が乗り、我々は
9:26発の反対方向の三峰口行きである。

3輌編成は到着したときから満席で御花畑
から乗り込んだ客で超満員となった。

隣駅の影森駅についた時に殆どの客が
降りてしまった。
4月14日に秩父鉄道主催の琴平丘陵
ハイクと芝桜ツアー(1000名)が催されて
いることが判り、納得した。
05年4月23日にクマさん会で行った時
逆コースであった。
ガラ空きとなった電車から秩父の里山の
風景は、都心ではもう葉桜になっているが、
秩父では今が桜や桃の花が満開でのどか
な田園風景をノンビリ楽しんだ。

終着駅三峰口で降りたのはたったの7名で
登山客は我々3人の他に単独の2名だった。

閑散とした三峰口を後にタクシーに乗らずに
スタートした(10:00)。
上空を見上げれば澄み切った吸い込まれそう
な紺色の青空がいっぱいに広がっている。
正面にこれから目指す秩父御岳山があり、
荒川上流に掛かる白川橋を渡る。
下の荒川渓谷に流れる水は、光の加減か
エメラルドグリーンに輝いている。
15分ほど車道を歩くと登山口が現れ、
立派な山岳救助隊駐在所がある。
ここから山道になり抉りこまれた細い道で、
登り口には名前の知らない白・黄色の花や
ヤマブキが出迎えてくれたが、結構いきなりの
急登で見る間に額から玉の汗が流れ落ちる。
やがて陽射しを遮る背の高い杉林へと
入って行き、20分程登ると展望が開け、
周囲に薄紫のミツバツツジが花開いた
見晴台に出た。
荒川の向こうに武甲山が聳えている。

武甲山

再び杉林に入り、急のぼりは続き、チラホラ
とカタクリの花が最後の姿を見せていたり、
マムシ草等が咲いている。
駅から丁度1時間あるいたところで、最初の
休憩を入れる(11:00)。
既に相当の汗を流しており、タップリと水分
補給をおこない、再び急登に取りかかる。

両神山

30分ほどで、ヤット尾根道(標高800m)に
出ると風があり、火照った体に気持ちが良い。
正面の直ぐ前の山は両神山が聳えていた。
ここの辺りはウチワほどの大きな枯れ落ちた
ホウ葉が多数落ちている。
尾根道は馬の背状で道幅は狭く両側が切れ
込んでいる。
傾斜は更に急になり、昨夜の雨で道は緩んで
おり立ち止まると下へズリ落ちてしまい、
より深く前傾姿勢を保ち、バランスを取り
ながら、足を前に出すしかない。

右方向から人の話声が聞こえ、その声が
段々と大きくなり、山頂は近いらしい。

今までこの登りのコースでは誰一人会うこと
もなく、ただ黙々と3人で登ってきた。
鐘を突くカーンと響く音が聞こえ山頂は
もう直ぐであることが分かりヤット山頂に
ついた(12:10)。

標準時間では駅から3時間のところナンと
2時10分で登り切ってしまった。

秩父御岳山の山頂(1081m)には御岳大神
を祭る祠があり狭いが、見晴らしは良く、
武甲山から右回りに、まだ雪の残っている
雲取山(2017m)、飛竜山(2017m)、
和名倉山(2036m)、両神山(1723m)と
奥秩父の山が続き、その右遥か先に一際
高く真っ白な山頂見せている浅間山(2542m)、
更に右手に奥には、同様に真っ白な山脈が
あり、苗場山であった。
その右手は尾瀬や、日光連山、赤城などが
見える筈だが、枯れ木に遮られて残念ながら
見る事は出来なかった。
暫く山頂からの素晴らしい展望を楽しみ
写真に収めて、祠の鐘を突き参拝して
参道の両脇に陣取り昼食にした。

登り時間を大幅に短縮できたため、その分
ユックリと食事と休憩に費やした(13:00)。
山頂から落合方向への下りは約30mの
鎖場だが、ゴツゴツした岩尾根で手がかり
があり、慎重に降りればロープや鎖を
使わなくても降りられた。
瘠せ尾根から伐採した杉林に入り道幅は
広くなるが傾斜は急な下りが続き、
ジグザグを切りながら下ると膝上の筋肉が
突っ張ってくる。
林道を横切り、再び登山道に入ると今度は
谷間の沢道の沿った登山道となり、常に
湿気が多いのか大きな石や太い杉の根は
苔むして緑色をしている。
沢を何度か、頼りない今にも崩れそうな
丸木橋で渡り返して下ると、木と木にしめ縄
が張られており、どうやらこの道は参道らしい。
何辺か、しめ縄を潜り抜けて下ると二輪草の
群生やスミレが咲いている。
黄色い筒状の先端が唇形となった
ミヤマキケマンにであった。
山頂から落合までの下りは旺文社及び
山渓の地図では何れも1時間5分となって
いるが、既に1時間15分下ったが、相変わ
らず山道は続き下り続ける。

ニリンソウ

スミレ

ミヤマキケマン


下り始めて1時間30分でヤット普寛神社の
ある登山口に着いた(14:30)。

普寛神社に祭られている普寛上人は
木曾御嶽山を開いた人であり、
秩父御岳山も普寛上人が開き、従って
「みたけさん」ではなく「おんたけさん」と呼ぶ。
普寛神社の前にある御岳山の地図では
山頂からの下りは1時間30分となっており、
どうやら出版社の地図は両方とも間違いの
ようである。
神社から最後の目的地
大滝温泉 遊湯館」までは車道を徒歩10分
ほどで着いた(14:45)。

遊湯館は\600-でPh8.4のナトリューム系の温泉
で源泉名は「三峰神の湯」(32.5度)だそうだ。
2階が檜風呂、一階が岩風呂となって
おり、大広間も空いていた。
湯上りに缶ビール1杯で慌しく、15:43の
バスに乗り三峰口駅に向かった。

16:12発の池袋まで直通で行く快速急行に
乗るためである(\1180-)。
雄さんが駅前で仕入れた「秩父錦」
(昨年金賞を受賞)と自宅から持ち込んだ
酒と焼酎で温泉の続きで、鵜飼さんは酒が
飲めないため、雄さんとクマさんの二人で
注しつ注されつ、で始まった。
車窓から真近に見える武甲山の削り取ら
れた岩肌が痛々しい姿に、また涙酒となる。

秩父、横瀬で芝桜帰りの客で満席になるの
を覚悟したが思ったほど乗らず、マタマタ、
安心して酒を酌み交わす。
高麗駅から数名のハイカーが乗り込んで
来た。
見かけた顔がある。あのNHKの登山教室
で有名な岩崎元郎さんらしい。
スイスアルプスに半澤さん、鵜飼さん、熊本
で行った時にフランスのシャモニーで岩崎さん
に出会い一緒に写真を撮って貰ったことが
あり、今回も酔った勢いで電車の中では
あったが、一緒に写真に収まってくださいと
願うと、快く応じてくれた。
「日和田山」でトレーニングをしてきたとか。
日和田山は05年に巾着田の曼珠沙華
見た後に登った高々標高305mの低山だが
男坂の岩場があり結構楽しめる山ではあった。
所沢で雄さんとはお別れ、鵜飼さんとは池袋で解散となった(18:33)。

今回は思ってもみなかった青空の好天気に恵まれ、春の花々に出会い、最後には
想定外の岩崎元郎さんと一緒に写真を撮る等思いがけない楽しみが一杯でした。

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両神山

浅間山

苗場山(雪山)

雲取山

飛竜山

西

武甲山

秩父御岳山