06年2月11日 入笠山
7時新宿発のスーパーあずさ1号が走り出し、中野を過ぎると間も無く、旭を浴びて真っ赤な富士山が見え、
今日の天候は良さそうだ。
八王子で自由車両も満席になり、1/4は大きなザックにピッケル、カンジキを装備した雪山登山客である。
甲府で普通に乗り換える。甲府辺りは全く雪のかけらもなく暖かい。
待ち時間25分を利用し、駅蕎麦を食べ、
ホーム最先端(進行方向)まで行ってみる
と、正面に右:鳳凰三山、左に甲斐駒を
据えた絶好の景観であるが、残念ながら
列車の架線、鉄塔が台無しにしている。

3両編成の普通松本行に乗ると、まもなく
高橋雄さんが乗り込んできた。
朝早く起きたので国分寺から各駅列車で
来たと言う。
甲府からは南アルプス、茅が岳、八ヶ岳が
大きくなり、左右の車窓を行ったり来たり
して写真を撮るには鈍行列車が一番である。

南アルプス

八ヶ岳

南アルプスは北岳を主峰とする白峰三山、
その前に立ちはだかる鳳凰三山、そして
荒々しく孤高を誇る甲斐駒が岳等は、雲
ひとつない、抜けるような紺碧の空に天を
突いている。
一方、左の車窓からは主峰赤岳や横岳、
天狗の山頂には若干薄い雲を被っている
が申し分の無い天候である。
小淵沢の二つ手前の「日野春駅」で後続の
特急あずさ3号の待ち合わせで抜かれる
(高橋文さ能勢さん、竹内さん、吉松さん)の
4名が八王子から乗り込んでいるはずである。

9:51に目的の富士見駅についた、先着4名
と合わせ、本日の雪山山行は6名パーティー
である。
富士見高原パノラマスキー場への無料バス
に何とかギューギューに詰込まれ、約10分で到着。
スキーヤー、スノボーラーに混じってゴンドラ
に乗り、800mの高度を一気に稼ぐ。
(往復券\1600)勿論スキーヤー達は往復券
を買うはずもなく、山登りの面々のみだ。
10分の空中遊泳で標高1800近くまで上がった。
文明の利器はありがたい。

正面に八ヶ岳を見据えながら、アイゼンを装着し、
登山の準備を完了させ、恒例の出発前の写真
を撮る。
スキーヤーは下へ滑り降りるが、我々は
上に向かって登る。
ゴンドラ駅舎を越えると直ぐに、甲斐駒の
直ぐ左に富士山が裾野を広げている。
積雪は1m位であろうか、アイゼンのサクッ、
サクッと食い込む感触が何と心地良い。
15分ほど緩やかな平地を歩くと入笠湿原
の入口がある。
湿原には小学生が2,30人先生に引率され
ソリで滑ったりして、雪遊びを楽しんでいる。
我々は横目に見ながら先へ進み、入笠山
登山口のマナスル山まで、30分出来た。
風もなく気温も暖かく、気持ちが良い。
いよいよ、これから急な登りに入る。
雪道の登山道に沿って一歩一歩アイゼン
を利かしながら高度を稼ぐ。

踏み後を外すと股下までズボット落ち込む。
要注意!
振り返ると、先ほど降りたゴンドラの駅舎
が眼下遠くに見え、八ヶ岳から蓼科山、
車山まで展望が開けてくる。
もう、額から汗が滴り落ちる。

ゴンドラ山頂駅→

さらに高度を上げると諏訪湖が見えて来て、
ここまで来ると山頂はもう直ぐである。

斜度がきつくなり、アイゼンをシッカリ食い込
ませ、ストックで踏ん張り、滑らないように体を
引き上げる。

前方が開けてきた。もう山頂で写真を撮って
いる登山客が見え出した。
12時05分。入笠山山頂(1955m)に立った。
山頂ではマイナス10度を超えているだろう
が今日は風があまりなく太陽の陽射しが暖
かい。
八ヶ岳は勿論、奥秩父の金峰、瑞牆山、
富士山、南アルプス、木曾駒が岳等の
中央アルプスがハッキリ見え、北アルプスは
薄い雲が掛かっており槍、穂高は識別出来
なかったが、鹿島槍、五竜岳は確認できた。
360度の展望に各々、しばし見入り、写真を
撮ってから、風を除け、八ヶ岳、富士山、
甲斐駒の見える場所を選び昼食とする。
梅酒で乾杯!全員ガスバーナーで湯を沸
かし、景観を楽しみながら暖かいラーメンを
食べ、しばし休憩タイム。

入笠山からの360度パノラマ

昼食場所には風雪に耐えた、
珍しいマユミの枯れ実?があった。

30ほどの休憩を取り、今度は温泉に向かっ
て登ってきた道を一気に下る。
マナスル山荘から山頂まで約40分かかった
登りだが、何と15分弱で下った。

雪道の下りはクッションが効いて膝、足首に
優しく、アイゼンのお陰で、楽に走り下ること
が出来る。
これも雪山の醍醐味かもしれない。
再び、入笠湿原を横断し、今度は林間コース
の山越えでゴンドラ駅に向かう。
出発点のゴンドラ駅舎の前で、アイゼン、
スパッツを外し、身軽になり、下りの時だけ
レンタルスキーがあれば滑って降りるのだが、と
ボヤク、竹内さん、能勢さん。
ゴンドラに揺られながら甲斐駒、富士山、
八ヶ岳を眺め、写真に収めながら降りる。
次の目的地「ゆーとろん水神の湯」までは
徒歩15分。14:10着。
本日は結構混んでおり、ヤット休憩場所を
確保して露天風呂に飛び込み、冷えた体を
ユックリと暖める。
湯上りに冷えた缶ビールが喉に凍みる。
15:10になり、特急「はまかいじ」で帰ろうと
急遽タクシーを呼び、駄目もとで駅に駆け
つけ、何とか15:36の高尾行きの普通列車
に乗り込むことが出来た。
二駅先の小淵沢で特急「はまかいじ」の待ち
合わせが30分弱あり、この間、ホームでは
風が強く、寒い、山頂より数段寒い。

15:59発の特急あずさは富士見駅を止まり、
更に、八王子や新宿には30分早く、
「はまかいじ」より先に到着する。
何故、寒い思い、遅い到着までした
「はまかいじ」を選んだ理由がある。

過去の経験から毎回ガラガラの空席だからで、
今回も6名のパーティーで纏った席を確保
できるのは間違いないからだ。
(八王子から横浜線に入り終着は横浜駅)

予想通り、ガラガラの空席で2ボックス8人席
を6名で占め、恒例の車内宴会の開始である。


文ちゃんが小淵沢で仕入れた「にごり酒」
から始まり、焼酎さらにバーボンと次々に
空にしていく。
八王子で雄さん、町田で、文さん、竹内さん、能勢さん、吉松さんが降り、皆さんお疲れ様でした。
天候に恵まれ、360度の展望を満喫できた入笠山の雪山山行でした。

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