白馬岳 三日目:9月2日(土)
5時起床、5:30朝食。
朝食の前に、カメラを持って、白馬山荘横にある少々小高い丘に上がる。
5:15 正に日の出を迎えようとしている。東の方向(戸隠山、谷川岳)の雲海が
真っ赤に染まり太陽が顔を出し始めた。
2000m位の高さ一面に雲海が敷き詰め、その上空には雲ひとつない青空である。

高妻山

戸隠山

燧ケ岳

至仏山

谷川岳など

西の真下には日本海が広がり、糸魚川、焼津の街並みが手に取るように見え雲海の上には焼岳、
妙高、火打、戸隠が頭を出し、遠くに谷川岳、草津白根更に右に目を転ずれば、志賀高原、
四阿山、直ぐその右に噴煙を上げる浅間山から八ヶ岳に富士山が重なり、南アルプスの北岳
をはじめとする南アルプスが見える。
北アルプスは左(遠くから)から穂高、槍、燕、水晶、野口五郎、薬師、そして立山連峰、
一段と大きく、剣岳が正面に鎮座している。
北アルプスを越えて更に雲海の先には
白山が、更にその先の山まで見える。
見通せる限り雲海に上には雲がなく、
360度、遠くの山まで見え、山座同定に
苦労するほどであった。

日の出と山々の写真を何枚かを撮り、
朝食を採って6:00に出発する。
既に太陽は目線より上になり、太陽の
日差しを正面から浴びて再度、山頂に
向かう。

20分で2932mの山頂に再び立つ。

昨日と異なり、全ての山が朝陽に輝き
草木の緑、岩肌の茶色、雪渓の白の
コントラストが鮮やかに目に飛び込んでくる。
山頂で記念写真を撮り、右から太陽を
浴び、左に日本海を見ながら小蓮華岳
(2769m)に向かう。
急なガレ場を慎重に一気に下り、二つの
ピークを越える。
このルートは森林限界を超えて、砂礫に
ハイマツが山肌に這いその緑色が眼に
染みる。

振り返って見た
白馬岳山頂

そのハイマツの中に雷鳥が5羽
(吉松さん確認)発見しカメラに収める。
もう冬支度か羽を白くし始めたものもいた。

雷鳥

砂地の岩肌にはチングルマや
タカネナデシコが地にへばりつくように
風に靡いている。
西の方向には雪渓をタップリ残こした雪倉岳
や朝日岳があり、横目に見ながら暫く急な
下りを続けると前方に白馬大池が見え始めた。
この頃から傾斜もなだらかになり、
尾根の稜線をピクニック気分で降りる。
9:10の20分遅れで白馬大池に着き小休止
を入れる。
山荘は今年の大雪で一部崩れたため
8月28日で今年の営業を停止し、修復
作業に入っていた。
池を越えた向かい側にはこれから行く
乗鞍岳を眺めながら休憩する。
白馬大池を大きな石の重なった登山道を
注意しながら半周し、同様な登山道の急な
登りが続く。
石の間隔や高さが異なるため歩幅に苦労し
結構しんどい。
やっとのことで平坦になりケルンがある
ところが乗鞍岳(2436m)のピークであった。

更に石は大きくなり傾斜も急になりより一層
の注意が必要になり精神的にも疲れる。

途中、雪田をトラバースして再び大きな石に
重なった下りが続き次第に足が重くなり、
冷や汗をかきながら疲労が溜まってきた。
膝がガクガクになりながら天狗原の湿原に
出てホットし、木道にヘタリ込み小休止する。
湿原から約1時間下るとやっと栂池ホテル
の小屋が見えロープウエーの乗り場
(1800m)にちょうど12時に無事に到着した。

当初の計画より1時間弱遅れてしまい、
如何に下りに苦戦したかの結果である。
栂池自然園に入り高山植物を散策する予定であったが、「既に多数の高山植物に出会えており、
更に見る必要はなし」で意見が一致しパスすることになり、結果として予定のスケジュールに
オンタイムとなった。12:20のロープウエーとゴンドラを乗り継ぎ、1800mから一気に800mの下界 
栂池駅に到着し、遅い昼食を採るべく、そば屋に駆け込み思い思いのソバを注文し空腹を埋めた。

タクシーで民宿「やまきち」に戻り、温泉へ直行し、二日間の汗を流し、パンパンに張った足を
良くマッサージしてやっと生き返った。湯上りに後は勿論、無事帰還を祝し生ビールで締めて乾杯!
やまきちの奥さんの好意を受け、白馬駅まで車で送っていだだいた。
奥さん3日間大変お世話になり有り難うございました!

臨時特急スーパーあずさ28号(白馬発14:57)で自由席を悠々確保し、帰りは恒例の車内宴会で
盛り上がったことは言うまでもない。

数え切れない程の高山植物、雲海に浮かぶ山々、北アルプスの全貌、大雪渓の登りなど等、
念願の「白馬岳」は予想を上回る雄大さで、念願の白馬岳登山は十二分に堪能しました。
参加の皆さんはお疲れ様でした。

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