06年4月15日 乾徳山
    高橋(雄)記

今回の登山者は、竹内さん、能勢さん、堀さん、吉松さん、高橋(文)さん、高橋(雄)の6名。
天候は曇り。予報では最高気温は13度程度と、三月並みでちょっと肌寒い。しかし雨はなさそうだ。

この日、JRは新宿駅工事のため、中央線は変則ダイヤで、私は皆さんにメールで注意を呼びかけて
いた.。しかるに、当の私が引っかかってしまった! yahoo乗り換え案内には、特急始発駅が中野に
なるという工事情報が反映されていたので、信用して案内通りに出かけた。
ところが、国分寺駅でyahoo時刻の電車が来ない。・・・実はこれは当日は運休の快速の時刻。
しかたなく各停を待っている間に、目の前を、立川から乗るはずの特急「あずさ3号」が無情にも
通過していったのでした・・・。yahooを恨みながら、やむを得ず高尾からの普通電車で向かう。

塩山に9:00の集合時刻に対し、私が着いたのは9:37。大遅刻。
先行して予定通りに集合した5人は、その間、駅前にある甘草屋敷を眺めて待っていてくれました。

9:50 タクシー2台に3人ずつ分乗、
大平(おおだいら)牧場めざして出発。

タクシーはちょうど見頃の桃畑、すもも
畑の中を走る。山にさしかかると桜が
満開。なんと梅まで終盤ながら咲いて
いました。

10:15 大平牧場着(\4,980)

運ちゃんに帰りの迎えを15:00で依頼。


恒例のスタート写真を撮る。

ここはすでに標高1,350m。
乾徳山頂上は2,031mなので高低差700m
程度の登りとなる。
当初予定の徳和(820m)から登るよりは
ぐっとラクなはずだ。
そしてスタートの遅れを取り返せた。

50mほど高度を上げると林道と交差し、
案内地図と登山口の大看板があった。
タクシーはここまで登ってこれたはずだが、
我々はちょっと下で降ろされたようだ。

改めて大看板のところで集合写真を
撮り直す。

ススキの中の山道を登る。

少し登ると、大平牧場の南に富士山が
見えた。
残念ながら5合目あたりから上は雲の中。

富士山

11:04道満尾根に出た。

ひと汗かいて1枚脱ぎ、水分を補給。

めざす乾徳山頂とその右下に昼食予定
場所の扇平(オオギッピラ)が見える。

乾徳山

扇平

ここから尾根伝いに扇平に向かいた
かったのだが、標識が見当たらず、
道なりに歩いていたら少し下りとなり、
国師が原まで降りてしまった。

11:18国師が原の分岐。

ここから扇平めざして登り返す。

カヤトの中の石ころ道を登る。

このころから堀さんのペースがダウン。

あとで帰りの電車の中で聞いたら、実は
風邪あがりで、体調はいまいちで、しんど
かったとのこと。

11:50扇平着。(およそ1750m)

尾根は風があたるため、少し下の岩陰で
昼食。
各自お湯をわかしてラーメンをすする。

能勢さんからおいしい漬物と梅みそきゅうり
をご馳走になる。


富士山が見えるがあいかわらず上は雲の
中。
甲府盆地は桃の花盛りでピンクに染まって
いるが、曇りと春霞で鮮やかさがない。

晴れているとさぞかし見事であろう。

富士山

甲府盆地

12:20扇平発。

めざす乾徳山頂の岩峰が見える。
ここからは急登となる。

乾徳山

標高1800mあたりからダケカンバの
樹林帯の日陰には残雪が現れ始めた。
凍りついていて滑る。
なんとか滑らない足場を探しながら慎重
に登る。
それでも滑ってずり下がる場面も。
ペースはさらにダウン。

狭い岩の間をくぐり、丸太のはしごを
使う。

1900m付近の第一の鎖場。

ここは岩にでこぼこがあり、足場は確保
できるが、重い体重と荷物を引き上げる
には相当腕力がいる。

鎖場を過ぎたら、さらに難所。

岩場の丸木橋の手前が大きなアイス
バーン。
滑らないように歩くのは極めて難しい。
堀さんはアイゼンを片足に装着して通る。

事前にWebで4月の乾徳山のページを
いろいろ見たが、少々残雪はあるものの
アイゼンは使わなかったとの記載があり、
アイゼン不要と案内したが、堀さんは
念のため持ってきて正解。

今年は雪が多かったということか・・

山頂にはあと少し。
しかし、これから最大の難所が手ぐすね
引いて待っている。

そしてついに来ました、山頂直下第二の
鎖場。ほぼ垂直10m。

熊本さんが2回目の登山で途中で足を
つって断念したというところだ。

まずはその前で記念撮影。

みんな覚悟を決めていよいよチャレンジ。

足をかけるところが少なく、ほぼ腕だけで
鎖をつかんで体をひっぱりあげるところが
数箇所。

今回の登山は後日、筋肉痛が足だけでなく、
腕や胸の筋肉にも発生した。

重い荷物が背中を反らせる。
夢中で鎖にしがみつく。

息はハアハア。

山頂直下の垂直岩場は北アルプス槍ヶ岳
もそうだが、槍ヶ岳の場合は鉄梯子でこれ
ほど難儀しない。
ここも梯子があれば・・・と思うが、鎖場が
乾徳山の名物で売り物か・・・

ともあれ、なんとか全員無事に鎖場を登り
きるとそこは山頂。よって証拠写真撮影。

13:40着。
予定の13:20より20分オーバー。
途中のアイスバーンで時間をとられた。

この調子では下山も時間がかかることは
必至で、15:00に迎えを頼んだタクシー
に時間変更を電話しようとしたが電波届か
ず断念。

アイスバーン

アイスバーン

富士山

三つ峠

甲府盆地

金峰山

国師ケ岳

黒金山

西

甲武信ケ岳

大菩薩嶺

地図ソフト カシミール3Dで作成

富士山 望遠

黒岳

山頂に視界をさえぎるものはなく、360度
の展望。当然パノラマ撮影。
雲は薄くなり、薄日がさしてきたが、霞は
残念ながらいかんともしがたい。

しかし、目を凝らすと、写真ではわかりにくい
が、富士山は頂上までなんとか形が見えた。

乾徳山頂からの3DCG

雲取山

13:50 風はなく、のんびりしたいところだが、
遅れているので下山開始。

同じ道のピストンも検討したが、鎖場はもう
いい(イヤ)とのことで、迂回新道を選択。

山頂北側を黒金山に向かって降りる。
残雪があるが日があたり、雪は腐って
アイスバーンではない。が、時々ズボッと
はまる。

鎖はないがごろごろした岩場。小さな梯子
と短いロープ場が確か3箇所ぐらいあった。

14:07 縦走路と迂回新道との分岐。
迂回新道で国師ケ原をめざす。

急峻な下り坂。
樹林帯の道は踏み固められたところが
アイスバーンになっている。
それを避け、道の横を木につかまりながら
ノロノロ降りる。
それでも岩の表面が薄く凍っているところ
もあり、何回かしりもちをつく。

時間がどんどん過ぎる。

標高1700mあたりから道はゆるやかに
なり、雪もなくなり、落葉松の落ち葉で
クッションが効いて快適に歩けるようになる。

「やれやれ今日もどうやら命拾いをしたようだ」
と吉松さん。

時刻はもう15:00.
300m降りるのに1時間を費やした。

ちょうどタクシーを呼んだ時刻だ。
だめもとで携帯電話してみたら今度は
つながった!
さらに1時間待ってもらうようお願いした。

15:30 国師ケ原避難小屋通過。

扇平との分岐を道満尾根へ。
ここからは朝と同ルートの逆行。

くねくねと蛇行している林道くずれの道を
ショートカットルートも利用してとにかく急ぐ。

16:01 登山口着。今度はタクシーが
上の方まで来てくれていた。

1時間遅れ。
今日は「よく待たす」がキーワード。
運ちゃんにお詫びと感謝。

難儀な山道のあとの下界は花盛り。
みごとな満開の枝垂桜の祝福を受ける。

またまたスモモ、桃、サクランボ咲き誇る
桃源郷を走りぬけ、

16:41 笛吹川温泉着。(\5,060)

看板どおりのぬるめの大きな露天風呂に
ゆったりつかり、リフレッシュ。

17:53
無事下山を祝して乾杯。
(この生ビールは朝yahooのせいで遅刻
した私の提供・・・・。)

この日は乾徳山組とは別に桃源郷
ウォーキング組も企画されて笛吹川温泉
で合流するはずだった。
しかし我々が温泉着が1時間遅れたので
会えなかった。

皆さん特に帰りを急ぐ必要もないとのこと
で、温泉後、山梨名物「ほうとう」を食べよう
ということになり、タクシーの運ちゃんに
駅近くでおいしいところに連れて行って
もらった。

18:40 (\1,540)着いたところは
なんのことはない、塩山駅近くのタクシー
会社のとなりの七福食堂。

ほうとう一人前\1,380は食いきれない
と思われ、二人でひとつを注文。
馬刺し、無添加ワインと、もう店じまい前で
サービス品のふきのとう、うどの天ぷらで
舌鼓。

19:30 さて、そろそろ帰ろうということに
なり、帰りの特急の時刻を調べた。

ここでまたまた「待ち」が発生!
「二度あることは三度ある」の喩えどおりだ。

次の登り特急は50分後の20:17までない!

塩山駅のひなかざり(旧節句?)を眺める
などして過ごす。

しかし、この間、竹内さんは充実していた。
帰りのタクシーのトランクに温泉で買ったおみやげ(コンニャクと大和芋)を忘れたというのだ。
駅前のタクシー会社(甲州タクシー)で交渉。しかし竹内さんの乗ったタクシーは別のタクシー会社の
みとみタクシー。甲州タクシーからみとみタクシーに連絡をとってもらったが、その運転手はもう家に
帰ったとのこと。すると、親切にも甲州タクシーの社員がその運転手の家までとりに行ってくれること
になり、竹内さんも同乗して向かう。すぐ近くかと思いきや、片道3kmぐらいは走ったそうだ。
道々その社員に聞いたら塩山のタクシー会社は顧客サービスに力を入れているとのことだが、ここまで
やってくれるとは!

とまあ、実にいろいろありましたが、20:17の特急かいじ122号でまた一杯やりながら八王子着21:05。
そのあと横浜方面の皆さんは家についたのが22時ぐらいでしょう。お疲れ様でした。

今日一日、のんびりやの私にお付き合いいただきましてありがとうございました。
これに懲りずにまたよろしくお願いします。

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