2月5日 北横岳
東京の朝は所々薄雲が張っているが概ね天候は良さそうである。
7:00新宿をスーパーあずさ1号が出発し、本日、クマさん会初参加の安田さん(根岸さんの友人)と
車内でお互いの装備や着ている物をメールで交換する。
八王子を過ぎると山肌の日陰には雪が残っており大月辺りでは10センチ程の積雪になっている(8:00)。
上空は雲ひとつなく快晴になった。
勝沼あたりからは、鳳凰三山、白峰三山
の南アルプスが鮮やかに見えるが、
その後ろの八ヶ岳方向は雲がかかって
おり、嫌な予感がする。
甲府を過ぎると甲斐駒が頭にはチョコッと
雲を被っているのみで、雪が凍りついた
岩肌を見せ、人を寄せ付けない厳しさを
現している。
反対側の車窓にはニセ八ヶ岳の茅が岳
が青空にクッキリと浮き出ているのに、
本物の八ヶ岳は7合目以上が雲の中で
ある。
本日の山行に不安がよぎる。
9:07茅野駅に到着。高橋(文)さん、
堀さん、鵜飼さん、吉松さん、安田さん、
熊本の6名全員が集合し改札を出た
ところで、初対面の安田さんとお互いに
挨拶を交わし、バス停に向かう。
ピラタスロープウエー行のバスは
10:00発でタップリの待ち時間である。
蓼科山、北八が岳、南八ヶ岳の7合目
以上が雲のなかで、雲も北から南へ流れ
は早く、風が強そうである。
予定通り決行するか、安全を考え上天気
の入笠山に切り替えるか思案したが、
熊本以外全員が冬の北横岳は初めてで、
兎に角行ってみようと意見が一致。

バスは登山客とスキーヤーで満席となり
定刻に出発。
市街を抜け15分ほど走ると八ヶ岳、霧が
峰、蓼科山が見えてくる。
北に位置する霧が峰(車山)は雲がかか
っていない、北横岳山頂は雲が掛かって
いるが蓼科山には全山姿を現してきて
希望が出てきた。
10:55
にピラタスロープウエー山麓駅に到着、
スキーヤーに混じり101人乗りの
ロープウエーに乗り(7分)で2300mの
山頂駅 坪庭につく。

駅の温度計がー13度を表示しており、
風が強く寒い。
昨年(04年3月)来たときより積雪量は
多く、坪庭でも樹氷が綺麗に出来ている。

早速、カジカンだ指でスパッツ、アイゼン
を装着し樹氷をバックに恒例のスタート
全員集合の記念写真を撮る。

霧が峰

蓼科山

北横岳

11:30
いよいよ雪山登山の開始である。
安田さんは北海道生まれであるが、
雪山登山は初体験。
雪質がさらさらの粉雪が、風に吹き上がり
ダイアモンドダストが一面に舞う。

坪庭を約半周するのだが、風が強いため
登山道が雪で、踏みしめた跡は埋まり、
先頭に立った熊本は何回となく踏み外し、
腿くらいまで沈んでしまう。
途中写真を撮るが寒さでバッテリーが電圧
低下し機能しなくなる。
15分ほど悪戦苦闘しながら坪庭から
いよいよ北横岳への登りに入ると登山道は
樹氷の樹林帯に入り、風除けでホットする。
踏みしめられシッカリ固まった登山道で
安心してアイゼンを利かし一歩一歩
ユックリ高度を上げる。
縞枯山を正面に、真下に坪庭、その向こう
に赤岳を頂点とする八ヶ岳が連なる。
更に高度を上げると秩父の山並みが見え出す。
途中1回立ったままで3分の息継ぎ休憩
を入れ、スタートから60分で北横ヒュッテ
に到着。

ここで昼食にする。風はあまりないが、
兎に角気温が低く、手がかじかんで痛い。
何とか湯を沸かし、ラーメンで暖を取る。
カメラをヤッケの中にいれ、近くにホッカイロを
入れ電池を暖める。
食事もそこそこに、約15人の団体の
あとに付いて、山頂に向かう。
ヒュッテからは急登だが一直線に約
20人が連なりユックリと登り、山頂に
近づくに従い風が強くなり急斜面で
横風をまともに受ける。
約15分で山頂を踏みしめた(2480m)。
上空には青空が広がっているが風が
強く(風速25m?以上)兎に角寒い。

体感温度はー30度を超えているかも
しれない。
風が強く全員で南峰山頂踏破の記念
写真はとても三脚は強風で使えず断念、
仕方なく交代で撮る。
今年は雪が多く、山頂の樹氷は見事に
出来上がっている。

強風による寒さで、とてもノンビリ景色を堪能している余裕はなく、早速下りに入ると直ぐ風除けに入り、
陽を受けると、この暖かさは有難い。
急斜面の下りも雪のクッションで膝や足首には負担がなく10分で北横ヒュッテに戻った。
一息入れる。昼食時にはここが寒くてしょうがなかったのだが、山頂の寒さを経験した直後だけに、
非常に暖かく感じられた。

約40分でピラタス山頂駅まで一気に快調に下る。ロープウエーで山麓駅までおりると、既にバスが
待っている。10分後に出発だ、これに乗り遅れると次のバスは2時間後であり、スケジュール通りの
行程であった。
鵜飼さんと吉松さんは用事があるとのことで、まっすぐ茅野駅に向かい、残りの高橋(文)、堀、安田、
熊本の4名は途中の滝の湯で下車し、昨年も寄った「小斉の湯」(¥700)に行く。

源泉60度の酸性泉質の露天風呂で冷えた体を浸け、50センチほどのツララを眺めながらノンビリと温まる。
約2時間は長すぎると思ったが、入浴後一杯やりながら話し込んでいるとアットいう間に時間は過ぎ、再び
バスで茅野駅へ向かう。

7分後17:49発のあずさ32号はガラ空きで、勿論飲んベー4人のこと、車内は俄か宴会場になり、
日本酒、ウイスキーを飲みながらで山の話で盛り上がりました。

一次は天候を危ぶみましたが、結果は終日、青空に恵まれ、あまり経験のない強風と寒さのなかで、
見事な樹氷とその景観に全員満足の北横岳雪山山行でした。
熊本は樹氷の写真を撮っている間、
他の5人には北峰山頂を往復してもらう
(10分)。
次回は、2月19日(土)陽だまりハイクで湯河原の「幕山・南郷山」の予定です。 
皆さん奮って参加下さい。

八ヶ岳

蓼科山

北峰

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