10月2,3,4日 槍ヶ岳

原田さん念願の槍ヶ岳は「クマさん会」‘03年のハイライトになる山行となりました。
参加者は原田さん、鵜飼さん、堀さん、高橋(文)さんと熊本の5名。
2日(木)初日は、スーパーあずさ1号に乗り、松本で乗り換え新島々から上高地へ(11:55)。
小雨が降っており、取り敢えずバス停の食堂で昼食を取る。

早速、上下雨具の身支度をして
河童橋で最初の記写真を撮り
12:40出発する。


上空は風があり、雲が通り過ぎると
時たま青空が覗き、殆ど雨は止んだ。

左側に梓川を見ながら、延々と続く
平坦な林道は毎度のことで飽きる。
前方に青空が広がり、常念岳が
姿を現してきた。

更に進み、氷壁の宿 徳沢園で
小休憩し、本日の目的地 横尾山荘
には15:30に着いた。

実は横尾山荘には、文ちゃんとワイン
1本を掛けてきた。
昨年の北穂高山行で宿泊した際に

受付にいたマドンナに文ちゃんがゾッコン。
一緒に撮った写真を今回渡すために
持参してきたのだ。

果たして結果は?

先ずその前にジャグジー風呂で汗を流した
あと、我々が美味しい赤ワインをご馳走に
なってしまったのです。

残念ながらマドンナは結婚し辞められた
そうだ。
大事な写真は届けていただけることに
なったが、文ちゃんの心中は?

3金曜(二日目)朝4時起床。
4:45全員ヘッドランプをつけ、真っ暗な
中をスタートした(1621m)。


昨夜の雨で道はぬかるんでおり、
時たま水溜りに足を突っ込む。

1時間平坦な道を歩くと、一の俣
の出会に着た。
もう薄明るくなりランプも消し、
更に、
二の俣を過ぎ、勾配がきつくなると、
槍沢ロッジに到着した(6:20:1800m)。


横尾山荘名物の朝食(クロワッサン弁当)
を取る。
なかなか、このパン弁当がいける。


槍沢ロッジに来て始めて、樹の間超し
に槍の穂先が見えた。
今回、初対面である。

ロッジを後に、樹林帯をダラダラ登り
30分ほどで、石室の赤沢岩小屋
に着く。

やっと樹林帯を抜け出て、背丈の
低い潅木地帯となり、一挙に視界
が開け、
右に赤沢山、左に南岳の
壁に挟まれた槍沢が現れる。

期待してきた紅葉がない! 
ナナカマドが赤くないのだ。
むしろ赤茶色で枯れかかっている。

と同時に、再び大きくなって槍が
目前に迫ってきた。

左に大喰岳、中岳の尾根、右に
東鎌尾根を従えて中央に槍が
青天を突いている(9:00:2500m)。

更にゴロゴロ石の登山道も急に
なるが沢を吹き抜ける風が冷たく、
再びシャツとヤッケを着込む。

既に5時間あまり登ってきており
足は重い。
槍ヶ岳の開山である播隆上人が
修行した播隆窟
を過ぎると更に
傾斜を増す。
当初計画した殺生ヒュッテのコース
から直登ルートに換えて進む。


ここから仰ぐ槍は他を圧倒する
迫力で迫ってくる
(パノラマ写真:一部合成に不備)

槍岳山荘が目前にも関らず、
足が上がらない、熊本は皆から
ペースが遅れ気味、原田さんが

一緒に合わせてくれ、10分登って
1分休みが続く。


先頭の文ちゃんに遅れること5分、
11:45やっと槍岳山荘に到着
(3080m)。


歩き始めて7時間、標高差1460m、
11kmの登りを制した。

先ずは昼食、カレーライス(¥1000)
カップラーメン(\400)かけうどん(\800)
を夫々腹に詰め込んだ。

個室6畳(+¥10K)を取り、荷物を置き、
カメラのみ持って、いよいよ槍の
山頂アタックである。


熊本は右股関節が痛く登頂を断念し、
4人の撮影隊となり見送る。
部屋に戻り股関節にたっぷりバンテリン
を塗りこみ、疲れた足を休息させる。

山荘から丁度標高差100mである。
三つの鎖場と二つの垂直の鉄梯子
を超え山頂に4:00到着。
残念ながら穂高方面から
吹き上げる
ガスで視界はない。
山頂の祠(3180m)で記念写真を
撮って慎重に下山する。

槍穂は切り立った岩山であるが、
手がかりがあり確実に3点支持が
出来るため
ユックリ慎重に行動すれば
危険はない。
やっとこれで、2時間遅れで4人の
仲間入りが出来た。

バンテリンを塗って約2時間、股関節の痛みが薄らいだ。
痛みが消えれば、ここまで来て、登頂断念は悔やまれる。
少々アルコールは入っているが、
3:30今度は熊本が単独で山頂アタックを決行する。

4日土曜(三日目)420分起床、
5:20下山開始。
既に薄明るくなり、常念岳の東方向
日の出前の空が赤く染まっている。
昨日ガスで見えなかった前穂が見える。

下山は昨日のルートを逆戻りである。
6:00振り返ると槍が朝陽に輝いている。

常念岳を前に見ながら、一気に大曲まで
降り(7:00)、ここで朝食。
今日は雲が一面に広がり
既に槍もガス
で包まれている。
この辺りから、槍に向かう登山客が列を
なしてすれ違う。

山荘前の広場は槍・穂高のベースキャンプ地
さながらで登山客・下山客で覆いつくし、
数百名はいるのではないか。

我々はスキップして゚徳沢園まで足を伸ばす
ことにした。トイレも長蛇の列である。
ここまで降りてくれば後は上高地まで
平坦な林道11kmを残すのみである
堀さん、文ちゃん、熊本は加速をつけて
前へ進む。

槍沢ロッジ、二の俣、一の俣を過ぎ、
横尾山荘に到着は丁度10:00で予定より
40分早い。

鵜飼さん、原田さんは豆を作り若干ペースダウン
したが、上高地に12:50と予定より1時間以上
早く着いた。
矢張り、今回槍ヶ岳山行の締めは
河童橋で
5人の記念写真はとる。
全員槍達成のポーズを作る。
頭上で両手を合わし、三角形を作る。
この三角形は槍の姿を表現している。

5千尺ホテルで昼食を取り、タクシーで松本を向かう(\15K)。
5人で一寸窮屈であるがバス電車を利用するに比べ、一人+¥600-のみである。

松本市内で我々が良く利用する温泉旅館「信州会館」に横着た。
2日間着っぱなしで汗臭い
下着を脱ぎ捨て、温泉とサウナ、更に水風呂で使い切った筋肉をアイシング。

皆さんサッパリして、食堂にて馬刺しをつまみに、先ずは生ビールを喉に流し込み、やっと一息ついた。
帰りはスーパーあずさ12号の8号車は例によって俄か宴会場と化し、原田さん差し入れの日本酒やワイン、
焼酎、ウイスキーを飲みながら、槍山行を話題に盛り上がりました。


念願の槍ヶ岳登頂を果たし、皆さん満足の行く三日間でした。

このあたりでは槍は見えなくなって
いる。勾配も急になり、気温は低い
が汗をかきTシャツ一枚になり、雄大な
槍沢の景色を見ながら、大曲、水沢を
越えると、沢は水がなくなり、大きな
石が
ごろごろし始める。


天狗原への分岐に来ると、やっと紅葉
らしくなった。
参考リンク:2001年10月12日の槍沢
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約1時間でアタック隊は無事登頂を果たし
戻ってきた。
山頂からの360度景観は素晴しかった

との事(写真参照)
但し、北、奥穂高はガスに包まれ姿を
見せてない。

念願の登頂を祝い、ストーブで暖かい
談話室で赤ワイン、ウイスキー、焼酎等、
今回持ち込んだアルコールを全て飲み
干した。
参考リンク:2001年10月13日の槍ヶ岳山頂からのパノラマ