霜柱↓

03年12月20日 大平山・平尾山

大月からの車窓には裾野までガスに一面に覆われて一度も富士山の姿は現れなかった。
今冬一番の大寒波にも恐れず、9:20富士吉田に集まったのは元気一杯の東山さん、

風邪でまだ鼻声の高橋(雄)さんと前回玄岳に不参加の熊本の3名でした。
風もなく思ったほどの寒さではない。
上空には青空が広がり始めこれからの山登りに期待を持って9:40のバスに乗り込む。
約20分でホテルMt富士のバス停で下車。ここは山中湖の湖尻といえる一番西端である。

富士山は裾野から7合目付近までは
ガスが上がったが、その上は厚い雲が
掛かっている。
湖畔に沿って約10分ほど富士山や
ワカサギ釣りのボートなどを見ながら歩くと
大出山登山口バス停に着く。

ここで先ずスタートにあたっての最初の
写真を撮る。

ここから舗装された道路が別荘地を
縫うように登る。
これが結構な急斜面で直ぐに汗をかき、
一枚、2枚と上からは脱いでいく。

路面には薄っすらと雪(昨夜の初雪との
こと)がフラッシュ状に張り付いている。

15分ほどでやっと舗装道路から抜け出し、
枯葉の堆積した山道に入った。
後ろを振り返れば富士山が我々の登山を
見守ってくれるようだが、顔はまだ出さない。


上空は一面に青空が広がり、冬の柔らかい
陽差しを浴びながら、風もなく正に初冬の
陽だまりハイクの感じである。

7から8センチもあろうかと思われる霜柱を
ザクッ、ザクッと踏みしめ快調に
登る。

最初のピーク(長池山?1178m)の直前に
上からマウンテンバイクの7,8名の一団が下り
てきた。
「おはよう!」とお互いに挨拶を交わし
すれちがった時、「スリップして危なくない
ですか?」と私が訪ねると、「スリップが
楽しいんですよ!」だって。

その声を後に更に階段状の急な登りを
詰めると最初の展望台である。
眼下に山中湖を一望し富士に目を向ける
が相変わらず、7合目より上は雲の中に
お隠れあそばしている。
大平山の頂上に行くまでには切れるだろう
と期待しつつ、休まずに次ぎのピークに
向かった。
ゆるやかな登り下りを二つほど繰り返す
と約20分でベンチが二つつある展望の
良い飯盛山に着いた。
ここで最初の休憩を入れる。
いよいよ風が出てきた。
手袋をはめないと指先が痺れる。

まだ頭を出さぬ富士山を背景にここで
記念写真を一枚。
前方には大平山が直ぐ前に見えるが
忍野側は雑木林が塞ぎまだ見えない。
一服した後に次のピークに向かう.。
一度鞍部まで林の中を大きく下るが、
左から吹きつける風が益々強さを増して
きた。
土砂がえぐられた階段状の剥き出しに
なった丸木をポンポンと飛び降りるのだが、
時々襲う烈風にバランスを崩しそうになり、
右に体が流されるがグットこらえる。

木段を上り詰めると電波塔の下でテントを
張り5,6名が中で食事のようである。
10m程上に登ると広場に東屋とベンチが
幾つかある大平山山頂(1296m)である。

一面の青空の中に富士山から、山中湖対面の大洞山、楢木山、三国山等の山並がありその裏は静岡県の
富士スピードウエーがある。更に三国山から切通、高指山と連なる峰の裏は神奈川県の山北であり、その向こうに
見えるのは丹沢山塊であろう。空気が澄んでおり遠くまで見通しが良い。目を更に左に移すと、これから登る
平尾山の向こうに石割山である。忍野側には、今年秋に登った鹿留山、杓子山が一段と高さを誇示している。

数枚とパノラマの写真を急ぎ撮ったが
寒くてしょうがない。

裸山の特徴で360度の景色は良いが、
まともに強風を受け、手はカジカミ、
顔面は硬直、鼻はたれ、ユックリ昼食どころ
ではなく、折角の無人の東屋を諦め、
風除けを探し、そこで昼食にする。
山頂直下のテント内で昼食していたパーティー
は正解だ。

早速、湯を沸かし、カップラーメンを食べる
前に、雄さんお得意の「焼酎お湯割りが
振舞われる。これが寒さには一番。
即、体が中から温まり一息つける。
何と、コッフェルに残っていた水がアット言う
間に凍りついてしまった。
恐らくマイナス10度位にはなっているの
だろう。
体感温度は風でそれ以上のマイナス20度
である。
お腹に昼食のラーメンを詰め込み、本日の
最高のピーク地に向かう。

一旦広い鞍部まで下りイヨイヨ枯れたカヤト
の階段状の長い急登に入る、強風はゴー、ゴー
と唸り声立てながら烈風化し、遮るものがない
尾根道で左から真ともに受け、体が浮き上がり、
吹き飛ばされそうに何回も襲われる。
斜度も益々急になり長い登りが続き、やっと
本日の最高地点、平尾山(1307mに到着した
(12:40)。
富士山の頭に被った雲も薄くなってきた。
雲の流れも速く、もう少しすれば全身を現して
くれそうである。

ここも見晴らしの良い展望台であるが、兎に角、
風が強く、写真を数枚撮って、「早く下山し温泉
に入ろう」と意見は一致する。
平野側の下山ルートに入ると、もう山に遮られ
風は無く、先程までの烈風が正に嘘のよう
である。再び青空の下、初冬の暖かい陽差を
受け、堆積した枯葉と霜柱を踏みしながら
ノンビリした「陽だまりハイク」が再び戻り、
木の間から富士山にかかる雲の切れ具合を
確認しながら、快適に下る。
下り始めて間もなく、富士山が待望の頭と顔を
現してくれた。早速、撮影会が始まる。

山頂の雲は取れすぐ左側にたなびく雲は
雪煙が舞っているように見える。
左から太陽の光を
受け陰陽も素晴らしく、
大寒波と強風にも耐えて来た甲斐があり
苦労が報われたような気がした。

このまま温泉直行では勿体ないと本日スタート
地点ホテルMt富士のバス停で下車し、山中湖
からの富士山の写真を撮ったが今一、周囲
景気とバランスが悪く、最高の写真とは行か
なかった。
15分程歩き、本日最終着地はおなじみの
「紅富士の湯」へ14:30に着いた。

何回か撮影会を繰り返し、13:30に平野バス停
に着いた。


13:44発富士吉田行のバスが、来て即乗り込む、
バスの経路は我々が湖畔を半周した山並とは
山中湖の対面にあたる旭丘経由のルートであり、
丁度、山中湖を一周したことになる。


バスが発車すると間もなく、右側の車窓に全貌
を見せた富士山が飛び込んできた。

冷えた体を、温めの露天風呂でゆっくり、
じっくり暖め、ホットする。休憩の大広間も
空いており、生ビールで乾杯して今年の
忘年登山を締めくくった。

富士吉田16:40発に乗り、大月で待って
いた高尾行きの普通で帰宅。
高尾からの中央特快の中で、来年の登山
を約して解散しました。

(いずれも熊本 研一郎 作)
大洞山
楢木山
三国山
越前岳
鉄砲木の頭
十二ケ岳
山中湖
石割山
日向峰
蛭ケ岳
鉄砲木の頭
三国山
楢木山
大洞山
越前岳
富士山
西
大平山
毛無山
足和田山
十二ケ岳
節刀ケ岳
黒岳
三つ峠
杓子山
鹿留山
ホテルマウント富士
登山開始点
山中湖
飯盛山
大平山
下山点(平野)
南アルプス(雲の中)
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