031227日 箱根 金時山

原田、鵜飼、半澤夫妻、高橋(文)、
東山、堀、猿渡、熊本の
9名である。

今日のコースを急遽変更する。
当初は乙女峠から富士山を見ながら
登り、仙石に下る予定をバスの連絡
の都合で、逆ルートにした。
8:30のバスに乗り込み正月の箱根マラソン
コースを上がっていく。
昨夜の木々に積もった雪が青空に
映えて素晴らしい景色に見とれていた
が、明神が岳の麓、宮城野橋を過ぎた
処で、渋滞となった。
バスの運転手に次々と情報が入ってくる。
どうも目指す仙石の近くで凍結した雪の
為、大型トラックの動きが全く
とれないよう
である。
ここから仙石の登山口まで7km位あり
雪道では歩ける距離ではなく、しかたなく
バスの動きに任せる他はない。
20m動いては暫く止まりを繰り返している。
結局仙石バス停には
1時間20分遅れの
10
時丁度に着いた。

小田原では線路にまで薄っすらと雪が
降りており、箱根の山は真っ白である。
どの程度の積雪か気になる。
湯本に8:00時集合に
7名が集まったが、
2名が小田原で乗り継ぎに失敗したと言う
電話が入り、
20分程の遅れで、やっと
全員が揃った。

03年の最後を締める忘年登山は金時山である。
4時半起床、昨夜からの雨がまだしとしと降り続いており、出発の5時半に羽田の自宅を
出る時は雨は上がっているがまだ真っ暗である。


横浜から湘南電車で小田原に向かう途中の平塚・大磯の海上は厚い雲が垂れ込めている。
国府津に着くと、海上は相変わらず厚い雲で日の出も駄目だが、箱根方向の西の空は青空が
広がっており今日の金時登山は大丈夫だろう

朝、真っ白に冠雪していた木々は朝陽を
浴びて溶けだしていまっている。
だが、日陰の舗装道路は凍結しツルツル
であぶない。
やっと登山道にはいる。

積雪は5センチ程度か。新雪をキュッキュッと
踏みしめる心地良さは何とも言えない。
15分も登ると汗が出て、上着を脱ぎ樹林帯
を登る。

時折、木についた雪が、風で舞い太陽を
浴びキラキラと光るスノーダストである。

更に30分登り詰めると明神が岳からの
分岐に合い、ここが矢倉沢峠であり、
始めて視界が開ける。

直ぐ左手方向に明神が岳からの尾根道が
見え、正面には大湧谷が噴煙を上げている。
更に右手は広い仙石原である。
ここで最初の小休憩。

ここから上は背丈の低い木とクマ笹で
見通しが良くなり、暖かい日差しを浴び
ながら
溶け出した雪道に高度を稼ぐ。

時折、振り返ると、相模湾、小田原の町、
芦ノ湖と
展望が開けてきて、今日は空気が
澄んでおり遠望が効き、景色が一段と美しく
目に
飛び込んでくる。

公時神社からの分岐を越えると斜面は
益々急になり、汗を滴らせながら登る。
左方向に山頂を巻きながら登ると、岩肌が
露出した急斜面になり、ここを
上り詰める
と、今度は右側に巻くようになり岩山気分
で登る。
景色はがらりと変り、
真っ白に山頂が冠雪
した丹沢山塊、大山が直ぐ目の前に広がる。
しばし足を止め一息入れながら、眺望を
楽しむ。

大きな岩石を幾つか乗り越えて、最後の
急登りとなり、これを登り詰めれば
山頂である。

11:40に山頂に到着した。やはり山頂は風が
あり、気温は低い。


一面に広がる青空の中に、富士山は、ほんの
山頂のみ薄い雲が掛かっているだけで裾野
まで雄大な姿を現している。
早速、皆さんカメラを取り出し、富士山撮影会
が始まる。

体が冷えてきた。先ず食事の前に、原田さん
が担ぎ上げた「日本酒5合」の燗をする。

コッフェルにナミナミ注がれた酒を暖め、全員で
今年の登り収めを祝い金時山頂で乾杯だ。

食事を終了し、後片付けと下山の準備を
していると、「あれが芦ノ湖であれが駿河湾だよ、
良く見たか?」と茶屋から姿を現して、金時娘
が言う。

更に「
14日の日刊スポーツに出るから見てね!」
と自己
PRを始めた。

今年
70歳になる金時娘も益々元気だ。

金時娘を囲んで記念写真を撮り下山に入る。

当初は乙女茶屋から乙女口へのルートを考えた
が、早く温泉に行こうと言う事で、公時神社への
ルートを取る。


山頂直下は日陰で、踏み固められた雪が滑り
易い。幸いにも木の枝や岩の手がかりがあり、
その助けを借りて、アイゼンを使用せずに慎重に
ユックリと全員無事に分岐点までおりた。

ここからは樹林帯の中をノンビリ雪道を下る。
1時間で公時神社に着き、今年一年間の無事
登山が出来た事にお礼参拝する。

15分で仙石バス停に着き、湯本行きのバスに
乗り込む。帰りは渋滞もなくスムーズに走る。
湯本のどの温泉に行くかで思案し、天山、箱根の湯、
天成園等あるが、今回は
箱根の湯にした。

先導役は鵜飼さんだ、箱根旧街道を約
15分結構な
坂道で、
堀さん曰く、「今年28回目の登山じゃない
ですか?」ですと。


年末とあって日帰温泉「箱根の湯」は空いていた。

休憩の大広間もがら空きだが、土日はテーブルが
ない。そこで、個室を頼むとと
12畳(6畳の二間続き
でコタツや
お茶、湯沸し貸しポット等があり2時間
3000―と割安である。

早速冷えた体を露天風呂(4箇所あり)で暖める、
透明の塩化ナトリュム系の温泉で硫黄の匂いはしない。
早速コタツを囲んで、持ち込んだビール、麦焼酎、
芋焼酎、日本酒、
ウイスキーとツマミを広げ、大忘年会
が始まる。

やはり話題は今年登った山、来年登りたい山に終始し、
話は尽きない。

2時間がアットいう間に過ぎ17時になった。タクシー3台に分乗し箱根湯本駅に行き、急行新宿行きに乗る。
小田原で小田急方面と
JR横浜方面の二手に分かれ、ここで本日のパーティーは解散となった。

行きの渋滞はあったもの、思わぬ雪景色や富士山と温泉、大忘年会で今年一年の登山を締めくくった
金時山忘年登山でした。


皆さん「クマさん会」2004年の山登りも宜しく。

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